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つんく♂が今、「モーニング娘。」に伝えたいこと アイドルへのアドバイスがなぜ社会人に響くのか

東洋経済オンライン / 2024年5月3日 8時0分

ただし、その天才性に対して毎月「天才代」とでもいうようなお金をもらえる人は実は極めて少ない。一握りの人がものすごい高額をもらう世界ですが、もらい続けるのは難しい。もしも安定的に高額をもらえる天才がいるなら、その人は究極のプロともいえる。

そんなふうにちょっと曖昧なところもあるから、プロ・天才・アマチュアは実は完全に切り分けられるわけではありません。けれど、この区分があることで自分の位置とやるべきことを確認できる。だから、本書ではあえてこの3区分を強く打ち出しました。

プロと天才を分ける意味も込めて「天才の特徴」として挙げたのは、「やりたくないことはやらない」ということです。

やりたいことしかやらないけれど、それをとことんまでやる。ある意味では赤ちゃんや子どもと一緒です。幼児は我慢できない。おとなしく座っていられない。お腹が減ったらぐずる。やりたいだけやって片付けはしない。ただ、物心がつくとだんだん行儀よくなっていく。

そこで行儀よくならなかった一部の人が、天才のままいくわけです。

――成功している天才としては、どんな人がいますか。

実は、天才って成功しないんじゃないかと思う。一方、「究極のプロ」として思い浮かぶのは今ならメジャーリーグの大谷翔平選手。

「天才と比べないでよ」と言えたほうが頑張れる

――芸能界はどうですか。Mr.Children(ミスター・チルドレン)のすごさについて、本にも書かれています。

そうですね。やはり彼らはすごい。2000年代のことですが、Mr.Childrenが国内での活動をあまりしておらず、もしかしたら今年は年間ランキングで勝てるかもしれないと思った年があったんです。でも、彼らが海外から帰ってきたと思ったら彼らはベストアルバムを出して、僕はあっという間に抜かれてしまった。

でも結局、Mr.Childrenも「究極のプロ」なんですよ。30年以上、第一線で頑張っているわけで、天才というよりは実はプロ。これは本には書かなかったけれど実はそう思っています。

僕がこの本で「天才に勝つ」というコンセプトを掲げたのは、究極のプロである大谷選手やMr.Childrenを「天才」と呼ばなければやってられないところがあるからなんです。どう頑張ってもかなわない圧倒的な存在が自分と同じような人間、打ち勝つべきライバルだと思ったら、もうやってられない。

でも、「あの人は天才だから」とつぶやいて、別次元の存在だと思えば自分を納得させられる。もちろん、別次元だからといって諦めるわけじゃない。自分が凡人だということを受け入れて、ではどうやって天才と戦うかというモチベーションにつなげる。地道にコツコツ蓄積していけば、トータルでは勝てるかもしれない。

本当はきっと、「天才」だって努力している

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