「"受験失敗"から大逆転!」37歳女性の"海外挑戦" なんと「カンボジアで不動産会社」いきなり起業
東洋経済オンライン / 2024年5月6日 8時0分
そんな学校生活の中、高校2年生の夏にカナダのバンクーバーへの短期留学に行くチャンスを得た。たった数週間の短期留学。
この経験が後の礎となった。
「初めて飛行機に乗ったんです。それで雲の上から街を見た時に『なんだ。自分の悩んでいる世界は小さいな』って思って。高校と教室がすべてで、勉強漬けの毎日に悩んでいたことが些細なことだって思えたんです。それに、机に向かって学んできた私の英語はいざとなったら全然出てこないし、ホームステイ先の家は綺麗な芝の庭で、私の部屋は地下のフロアにあるし、なんだか新しい世界を知った気持ちになりました」
わずか数週間の留学だったが、奥田さんの心には大きな影響を与えた。
「センター試験失敗」という大きな挫折
朝5時台の電車に乗って高校に行き、夜は10時まで勉強。帰国してからも学校生活は変わることなくひたすら勉強を続けた。
そして迎えた高校3年の冬、センター試験(現・大学入学共通テスト)当日。
「小さい頃から算数が好きで、数学に傾斜配点をかけていたんです。でも数学の答案用紙を表にめくった瞬間にプレッシャーでもう問題が解けなくなって。手が震えて何もできなかったんです」
呆然としたままセンター試験は終わった。
その時の様子を母は後に「これまで見たことがないような表情で帰宅したよ」と語ってくれた。
いい大学に行くことが絶対だと言われ勉強を続けてきた。けれど、このセンター試験の失敗ですべてが終わったと感じていた。
高校では「進学クラスの恥」とまで言われ、先生には浪人をすすめられる。
だが、奥田さんにはもう試験のために勉強する気力も残されておらず、目指していた薬学部は諦め、自分が好きだった建築学科のある大学に進んだ。
大学に進学してからは「すべての呪縛」から解き放たれたかのように外に向けて活発的に活動するようになる。
「もうバイトと海外旅行の繰り返しでしたね。お金を貯めては友達と海外に行きと、そんなことをずっと繰り返してました。20カ国ぐらいは行ったんじゃないかな」
行き先を決め、3カ月後の旅券を購入。それまでの3カ月間は必死にバイトした。
海外旅行のきっかけは留学した友達に会いにいくことだったが、次第と海外を見て回ること、日本との違いを発見することが楽しくなってきた。
大学の夏休みや冬休みを使っての旅行だったが、次第に「バイトではなく、自営でお金を稼いだほうがいいのではないか」と思うようになってきたという。
20歳で「iPhoneの販売代理店の会社」を自分で作った
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