海外からも熱い視線「料理するくま」の癒やし効果 インスタフォロワー約40万人、レシピ本も人気
東洋経済オンライン / 2024年5月9日 11時40分
子どもの頃からレシピを見たり料理をするのが好きで、おいしそうと思ったものは作ってみたし、得意料理がロールキャベツだったというから、かなりの料理好きではないだろうか。
時短ではなく、手間をかけた料理が多い
昨今は、時短レシピが一般化し、できるだけ手を掛けず素早く作れることをうたうレシピ本も多いが、くまくんの本は、包んで巻く、丸める、といったひと手間かかるレシピも多い。手の込んだ料理は、食べるほうも楽しみが増し、よりおいしく感じられる場合がある。
作るほうも、気持ちと時間に余裕があれば、ひと手間の「遊び」は楽しいかもしれない。もしかすると、ママさん自身が感じている料理の楽しさがくまくんの動画に表れ、見ている人が癒やされるのかもしれない。
ママさんは、撮影の技術を上げ、より凝るようになったこともあり、1品撮影するのに4~5時間かかる。おいしさを表現するため、湯気を出すのにカセットコンロの火力を上げる、息を吹きかけるなどする。せん切りなど一部の作業以外はほぼ、くまくんの動きに合わせ、テーブルで実際に作業している。
そんな大変な作業を、子どもたちは温かく見守っているようだ。娘は「これ、お昼にくまが作ってたやつやん!」と言いながら食事する、「かわいく撮れているね」と褒めるなどする。撮影技術に辛口の批評をしていた息子も最近は、「うまくなったやん」と言うようになった。
しかし、仕事が多忙なパートナーは、実はあまりママさんの仕事に気づいておらず、本を出したことも知らないという。ママさんとくまくんの野望は、ハリウッドデビュー。映画化されれば、さすがのパートナーも気づいて驚きそうだ。
版元であるワン・パブリッシングの横山由佳氏は、表情豊かで躍動感たっぷりなくまの動画を見て感動し、くまくんに気づき、八方手を尽くして連絡先を見つけ出し出版にこぎつけた。
「何しろ一度見たら忘れられない作品なので、企画にしないと絶対後悔する。面白い活動をしている人には、すぐに誰かが声をかけますが、くまくんの本を作るなら、ぬいぐるみやコマ撮り映画が好きな私が一番きちんと世界観を伝えられる、と思いました」と話す。本は、くまくんのプロフィールページなど、遊び心のある世界観をしっかり表現している。
「実用書」だけではない料理本のポテンシャル
当初は、プロの料理家でもない自分が、と躊躇していたママさんを、すでに他のメディアで紹介していたレシピの質の高さを認めていた横山氏が説得した。
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