1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「まぶた欠損」1歳息子をYouTube配信、両親の決断 「おもちくん」のただただ幸せな日常を流す意味

東洋経済オンライン / 2024年5月11日 12時0分

星野ファミリーの家族写真。2023年1月10日に誕生した未来くんは、5月で1歳4カ月となった(写真:両親提供)

「わが子は他の子と違うのではないか」

【写真】3カ月を迎えた当時の未来くん。まだ下まぶたがなく、常にラップで眼球を保護している状態だった

最近よく耳にするようになった「ギフテッド(生まれつき突出した才能を持った人)」かもしれないというよりも、発達や見た目などを周りの子と比べて、“わが子の違い”を心配する親は多い。

「おもちくん」こと、星野未来くん(1歳)は、まさに“他の子とは違う”姿で生まれてきた。すべすべの白い肌によく動く手足。むっちりしたほっぺがチャームポイントの可愛らしい赤ちゃんだが、その瞳を覆うまぶたはない。頭蓋骨の半分と眼窩(がんか:眼球を支える頭蓋骨のくぼみ)、頬骨が欠損しており、鼻の骨や耳は小さい。顔と頭蓋骨の形成異常だが、病名がついておらず、世界でもめずらしい症状だという。

「やってること夜勤の看護師さんなんよ」

手術をして下まぶたを形成したものの眼球が剥き出しになっている部分があるため、一日数回の点眼と、夜眠るときには眼球に軟膏を塗ってラップで覆うケアが必要だ。嚥下障害があるので、よだれや痰は吸引し、食事は胃ろうから摂取する(現在、少しずつ口から食べることも練習中)。夜間は人工呼吸器で酸素を注入している。

最近は週に1度、数時間ほど専門の施設へ通所するようになったが、多くの時間は育休中の両親が自宅でケアしながら育てている。

「大変は大変ですけど、意外と慣れますよ」。母親のしほさん(33歳)はあっさりと言う。

半年前から配信するようになったYouTubeチャンネル「星のミライChannel」で、夜間のケアの様子を公開したところ、「やってること夜勤の看護師さんなんよ」「正直、こんなにいろいろなケアが必要だとは想像していませんでした。ご両親に頭が下がります」といったコメントがたくさんついた。

妊娠中から綴っているブログ「星空の下、優しい世界~ウサギ顔で産まれた我が息子~」でも、日々起こる未来くんの突然の体調不良などにも冷静に対処し、医療関係者顔負けの処置をしている様子が読み取れる。

「当たり前のようにやっていたことがここまで驚かれるとは想像していませんでした」。そう笑うしほさんに頼もしさを覚えるが、この境地に達するまでには、もちろん多くの不安や葛藤があった。

「もともと、ものすごくネガティブなんです。後ろ向きというよりは、前に進むためのネガティブというか……。わからないことが怖いので、不安要素を取り除きたいから、とにかく悪いことはすべて考えたり調べたりしておくんです。お腹の中にいたおもちくんに異常が見つかったときもそうでした」(しほさん)

オンリーワンの子が来てくれた!

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください