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日経平均は4万1000円が今年の高値となりそうだ 今後上昇しても3月高値を抜くことは難しそう

東洋経済オンライン / 2024年5月12日 9時30分

熊本・菊陽町にある半導体製造受託最大手TSMCの工場。日経平均も半導体株が牽引する形で3月に4万1087円をつけたが、今年はこの価格が高値となりそうだ(写真:ブルームバーグ)

前回のコラム「日経平均が再び4万1000円を超えたらどうするか」(3月29日配信)では、日経平均株価について「4万1000円以上では積極的に買いたくない」とした。

これは急上昇後の短期的な調整局面も想定されたことから、高値圏での買いはなるべく控えたほうがいいとの判断からだった。実際、その後の日経平均は4月1日にザラバで4万0697円の高値をつけたものの、同月19日には同3万6733円まで下落、5月に入っても4万円を回復できずにいる。

今年の日経平均高値を4万1000円とする「2つの根拠」

今回のコラムの結論を先に言えば、日経平均は「上値4万1000円、下値3万5500円のレンジ相場に移行」しており、「3月22日のザラバ最高値4万1087円(終値4万0888円)が今年の高値になった可能性が大きい」とみている。なお前回までの上値予想は4万2000円だったが引き下げ、想定レンジは「上値4万1000円前後、下値3万5500円前後」に修正する(下値予想は不変)。

なぜ今年の日経平均の高値を4万1000円とするのか。1つ目の理由は米国株(S&P500種指数や、NYダウ、ナスダック総合指数など)の上値が重くなっており、年後半(7~12月)には株価が下落する可能性が高いとみているからだ。

この根拠は、(1)テクニカル(チャート)面から見て株価の上値が重くなっている、(2)企業業績と株価、具体的には予想EPS(1株当たり利益)とPER(株価収益率)の推移の関係による。

まずテクニカル面をみると、日経平均は3月22日のザラ場高値4万1087円から4月19日のザラ場安値3万6733円まで4354円下落して、年初(1月4日ザラ場安値3万2693円)から急上昇した上昇相場が大きく崩れてしまった形になっている。

株価上昇によって、世界のAI・半導体銘柄の今後の業績予想(ガイダンス)への期待値(ハードル)が想定以上に高まり、その高すぎる期待値を少し下回っただけで売られ、株価が急落した銘柄が目立った。

直近では、株価下落で期待値が下がるなかで、日米のAI・半導体関連銘柄の今後の業績予想については、まだら模様ながらも好感する形で、一部ハイテクの株価は反発している。だが、今後は3月の高値近辺で購入、含み損失を抱えた投資家の「やれやれ売り」が控えており、上値は重いはずだ。

また、株価上昇には予想PERの上昇が必須だ。だが米国株や日経平均の予想EPSは伸び悩んでいる。しかも年後半にかけて、日本は追加利上げ観測、アメリカでは市場が期待していた年2~3回の利下げ機運が低下しており、予想PERの上昇は厳しい環境にある。 

為替も円高方向へ、円安による上方修正期待剥落の懸念

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