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【カンボジア】夫の暴力を容認する女子は男子の2倍=ユニセフ報告書

Global News Asia 2014年9月5日 0時15分

 2014年9月5日、ユニセフは、子どもへの暴力に関する世界的な報告書を公表した。それによると性的・精神的な虐待の広がりと、暴力を容認し正当化している人たちの考え方が明らかになった。子どもへの暴力は、世界のすべての国や地域で、“白昼の死角”になっている現状も分かった。カンボジアでは、妻は、夫に叩かれても仕方がないと思っている女子が、男子の2倍以上というデータもあった。

 報告書の内容は以下の通り。
『子どもへの暴力防止キャンペーン レポート 統計版“白昼の死角"(原題:HIDDEN IN PLAIN SIGHT A statistical analysis of violence against children)』は、190カ国のデータを扱い、地域社会、学校や家庭といった子どもが安全であるはずの場所における子どもへの暴力についての報告。暴力が及ぼす、持続的でしばしば世代を超えて連鎖する影響について詳細に検証し、暴力を受けた子どもは将来職につかず、貧困に陥り、他人に対して暴力的になる傾向が高いということを示している。

■性的な暴力
20歳未満の女の子・若者の約1億2,000万人(約10人に1人)は、強制的な性交あるいはその他の性的暴力を経験している。結婚したことのある15歳から19歳の3人に1人(約8,400万人)が、夫やパートナーによる精神的・身体的・性的暴力の被害にあっている。パートナーによる暴力は、コンゴ民主共和国、赤道ギニアでは70%以上、ウガンダ、タンザニア、ジンバブエでは50%前後。スイスで2009年に15歳から17歳を対象に行われた調査によれば、女の子の22%男の子の8%が、少なくとも1度、身体的接触を伴う性的暴力を経験している。男女ともに、最も多かったのはインターネットが関連する暴力。

■殺人
世界の殺人事件の被害者のうち5人に1人が20歳未満の子どもや若者で、2012年ではその数は9万5,000人。パナマ、ベネズエラ、エルサルバドル、トニダード・トバゴ、ブラジル、グアテマラ、コロンビアでは、10歳から19歳の男の子・若者の死因のトップが殺人。ナイジェリアでは、最も多い1万3,000人の子どもが殺人事件の犠牲。西ヨーロッパと北米では、米国の殺人率が最も高くなった。

■いじめ
世界の13歳から15歳の子どもの3人に1人以上が、学校で日常的にいじめにあっている。サモアでは、その割合はほぼ4人に3人。ヨーロッパと北米では、11歳から15歳のほぼ3分の1が、いじめを行ったことがあると答えている。ラトビアとルーマニアでは、その割合は10人に6人近くになる。

■暴力的なしつけ
58カ国の調査では約17%の子どもが激しい体罰を受けている。(頭、耳や顔を叩く、あるいは繰り返し強く叩く)。チャド、エジプト、イエメンにおいては、その割合は2歳から14歳の子どもたちの40%を超える。世界全体で、おとなの10人のうち3人が、体罰は子どもをよく育てるために必要だと考えている。スワジランドでは、その割合は82%にのぼる。

■暴力に関する考え方
15歳から19歳の女の子・若者の半数近く(約1億2,600万人)が、夫は場合によっては妻をたたいてもかまわないと信じている。アフガニスタン、ギニア、ヨルダン、マリ、東ティモールではその割合が80%かそれ以上にのぼる。性別ごとのデータが入手できた60カ国のうち28カ国で、男の子より女の子の方が、妻をたたくことが時には正当化できると考えている割合が高い結果だ。カンボジア、モンゴル、パキスタン、ルワンダ、セネガルでは、そのように考える女の子は男の子の2倍もいる。30カ国のデータによれば、身体的・性的虐待の被害にあった15歳から19歳の女の子・若者の約10人中7人が、一度も助けを求めていないことがわかった。その多くが、それが虐待だと思わなかった、問題だと思わなかった、と答えている。

【編集 : 朝日音然】

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