Appleは2024年10月、同社製の新世代プロセッサー「M4」シリーズを搭載したMacの新製品群を発売しました。
今回M4搭載となったのは、「iMac」「MacBook Pro」「Mac mini」の各モデルです。それぞれの製品について概要を紹介していきます。
●iMacはカメラ・ディスプレイなどを強化
ディスプレイ一体型の「iMac」は、M4シリーズの中ではスタンダードな「M4」チップのみを搭載。従来通り、2ポート搭載モデルと4ポート搭載モデルがありますが、どちらもM4を搭載しています。
パワフルなM4を搭載したことに伴って、メモリの最小構成が従来の8GBから16GBに増えたことがポイント。また上位の4ポートモデルでは、32GBの構成も選択できるようになりました。こうしたメモリの最小容量引き上げは、後述するMacBook ProやMac miniにも共通したポイントです。
4ポートモデルに関しては、ディスプレイのオプションとして「Nano-textureガラスディスプレイ」を選択できるようになったこともトピック。このオプションを追加することで反射や写り込みを低減できます。窓の近くで自然光が入るような場所に設置を検討している場合には、選択するのもよさそうです。
機能面では、ビデオ通話時などに広角カメラで撮った映像を俯瞰したような角度に変換して表示する「デスクビュー」などに新たに対応しました。
●MacBook Proはポートが強化されて、屋外でも見やすく
ハイスペックノートの「MacBook Pro」シリーズは、14インチの下位モデル「14インチMacBook Pro(M4)」、14インチの上位モデル「14インチMacBook Pro(M4 ProまたはM4 Max)」、16インチの上位モデル「16インチMacBook Pro(M4 ProまたはM4 Max)」というラインアップ構成に。最小構成での価格は24万8800円(税込、以下同)です。
最小構成の「14インチMacBook Pro(M4)」でも「スペースブラック」が選べるようになったこともトピックです。
仕様に関しては、ポートが強化されたことがポイント。最も安い「14インチMacBook Pro(M4)」は、従来の2ポート構成から3ポート構成にアップ。画面を閉じなくても外部ディスプレイ2枚への接続が可能になりました。
そして、上位2モデルでは3ポート構成を維持したまま「Thunderbolt 4」(転送速度は40Gbps)から「Thunderbolt 5」(転送速度80Gbps~120Gbps)へと世代が更新されています。例えば、4Kを超えるような高解像度ディスプレイ2台へ接続できるようになり、よりプロフェッショナルなニーズに応えやすくなりました。
そのほか、屋外でも視認しやすいディスプレイを選べるようになったことも見逃せません。SDR輝度が従来の600ニトから1000ニトへ引き上げられたほか「Nano-textureガラスディスプレイ」をオプションで選択できるようになっています。カフェのテラス席や、屋外などでMacBook Proを使いたい人などは要注目です。
ちなみに、こちらのMacBook Proシリーズもカメラがデスクビューなどに対応しています。
●Mac miniはデザインを刷新
小型デスクトップモデルの「Mac mini」は、M4またはM4 Pro搭載モデルを選択できます。重要な変化としては、ボディーサイズが5.0(高さ)×12.7(幅)×12.7(奥行き)cmという箱型の形状へ変更され、従来の平べったいデザインから雰囲気が大きく変化したことが挙げられます。
これに伴い電源ボタンの位置が本体の底面へと移動したことも話題になりました。
仕様面の変化では、こちらもポート類の強化がポイント。M4モデルではThunderbolt 4ポートを3基、M4 ProモデルではThunderbolt 5ポートを3基備えます。
そのほかのUSB Type-Cポート2基、HDMIポート、ギガビットEthernetまたは10Gb Ethernetという構成は共通しています。
特に前世代のM2モデルと比べた場合、そちらはThunderbolt 4ポート2基だったため、最小構成のモデルでも3ポートを使えるようになったことが重要な変化です。
価格は9万4800円~で前世代から1万円値上がりしたものの、メモリ容量の増加や仕様の強化を鑑みればコストパフォーマンスは悪くないでしょう。