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Microsoftが「Recall」機能に関する追加情報を公開 プライバシーに配慮/iOS版「フォートナイト」が2025年後半に復活

ITmedia PC USER 2024年6月16日 6時5分

 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、6月9日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!

●Microsoftが「Recall」機能に関する追加情報を公開 プライバシーに配慮

 米Microsoftは6月13日(現地時間)、6月18日に展開予定だったCopilot+ PCの新機能「Recall」について、今後数週間以内にWindows Insider Previewでのプレビューに限って展開すると発表した。同Previewをに参加していない一般ユーザーはしばらくRecallを利用できないことになる。ただし、近日中には全てのユーザーに展開するという。

 Recallは、Windows上の表示をスナップショットとして定期的に記録し、Copilotによって後から内容を探せるという機能だ。「前に画面上で見ていた白いスニーカーはどこのブランドか」といった場合に、表示していたタイミングの画面表示を見つけられるようになる。記録されたスナップショットはPCのローカルに暗号化して記録され、クラウドにはアップロードされないとしている。

 それでもプライバシーとセキュリティの懸念が払拭できなかったためか、6月7日(現地時間)には、Recallをデフォルトでオフ、Windows Helloでの認証を必須にするといった追加の対応を発表していた。

●iOS版「フォートナイト」が2025年後半に復活

 人気ゲーム「フォートナイト」の公式Xアカウントは6月12日、日本で2025年後半にEpic GameストアとフォートナイトのアプリがiOSに登場すると告知した。

 iOS向けのフォートナイトは、開発元である米Epic Gamesが独自の決済手段を導入したことが米Appleのガイドライン違反とされ、2020年にApp Storeから削除されていた。その後、Epic Gamesは独自の決済方法を認めないのは反トラスト法(独占禁止法)に違反するとしてAppleを提訴した。2024年1月にはEpic側のほぼ全面的な敗訴という形で決着した。

 ただ、App Storeの独占問題は欧州や、その他の国や地域でも大きく取り上げられた。Epicの提訴が果たした役割は大きいといえるだろう。この問題は日本でも話題となり、6月12日に「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアにかかわる競争の促進に関する法律」が可決している。

 Epic GamesがXのポストの中で述べている「新たな法案が日本政府・国会により可決された」というのは、これを指していると思われる。この法案は、AppleやGoogleなどのプラットフォーマーに対し、セキュリティを確保した上でサードパーティーのアプリストアを認めさせるというもの。

 これを受け、Epic GamesはEpic GameストアをiOS向けにリリースし、そこでフォートナイトをリリースする予定のようだ。

●MediaTekがAI PC向けにArmベースのチップを開発中?

 米Reutersは6月12日(現地時間)、台湾MediatekがWindows搭載のAI PC向けにArmベースのチップを開発していると報じた。

 米Microsoftは5月、米QualcommのSnapdragon X Eliteを搭載した次世代AI PCとなるCopilot+ PCを発表した。第1弾の製品は6月18日に発売する。関係者からの話として報じられている内容によると、MediaTekのチップはQualcommの独占供給契約が終わる2025年末に発売するという。

 このチップは、既存製品の設計に基づいており、既成のテスト済みチップを使用することで設計作業が少なくなり、開発期間を大幅に短縮できるとしている。ただ、MicrosoftがMediaTekのチップをCopilot+ PC用に承認したかどうかは不明だ。

●Microsoftが2024年6月の月例更新プログラムを公開

 米Microsoftは5月14日(現地時間)、現在サポートしているWindows 11およびWindows 10の全バージョンに対し、月例セキュリティ更新プログラムの配信を開始した。

 Windows 11 23H2/22H2向けは「KB5039212」、Windows 11 21H2向けは「KB5039213」、Windows 10 22H2/21H2向けは「KB5039211」、Windows 10 1809向けは「KB5039217」となる。

 本更新プログラムでは、CVE番号ベースで49件の脆弱(ぜいじゃく)性に対応した。このうち、深刻度を「Critical(緊急)」と評価しているのは以下の1件だ。

・CVE-2024-30080:Microsoft Message Queuing(MSMQ)のリモートでコードが実行される脆弱性

 なお、今月は悪用が確認されている脆弱性は報告されていないが、今後、既知の脆弱性が悪用される可能性もある。できるだけ早めのアップデートを心掛けたい。

●画像生成AIモデル「Stable Diffusion 3 Medium」登場

 英Stability AIは6月12日(現地時間)、画像生成AIモデル「Stable Diffusion 3 Medium」をリリースした。現在、非商用ライセンスおよび小規模な限定商用ライセンスであるクリエイターライセンスでリリースされており、Hugging Faceを通じてダウンロードできる。アプリケーションとして、Stable AssistantとStable Artisanからも利用可能だ。

 Stable Diffusion 3 Mediumは、Stability AIの画像生成AIモデル「Stable Diffusion 3」シリーズの最新モデルで、パラメーター数は20億(2B)となっている。主な特徴は下記の通りだ。

・全体的な品質とフォトリアリズム:ディテール、カラー、ライティングに優れ、フォトリアリスティックな出力と、柔軟なスタイルでの高品質な出力が可能になる。16チャンネルVAEなどの工夫により、手や顔のリアルさなど、他機種にありがちな不都合にも対応した

・プロンプトの理解:空間的推論、構成要素、アクション、スタイルを含む、長く複雑なプロンプトを理解するようになる。3つのテキストエンコーダーを全て、または組み合わせて使用することで、パフォーマンスと効率をトレードオフできる

・テキスト生成:Diffusion Transformer architectureにより、スペル、カーニング、文字組み、スペーシングのミスを低減し、これまでにないテキスト品質を実現する

・リソース効率:低いVRAMフットプリントにより、標準的なコンシューマー向けGPUでパフォーマンスを低下させることなく実行できる

・ファインチューニング:小さなデータセットから微妙なディテールを理解することができ、カスタマイズに最適化される

 また、NVIDIAとコラボレーションし、NVIDIA RTX GPUとTensorRTを活用することで、Stable Diffusion 3 Mediumを含む全てのStable Diffusionモデルのパフォーマンスを強化する。TensorRTで最適化されたバージョンは、パフォーマンスが50%向上するという。

●「Apple ID」が「Apple Account」に名称変更 2024年秋予定

 Appleは2024年秋にリリース予定のiOS 18、iPadOS 18、masOS Sequoia、watchOS 11、visionOS 2、tvOS 18に合わせ、「Apple ID」の名称を「Apple Account」に変更すると発表した。

 Apple IDは、Appleが提供するさまざまなサービス(App Store、Apple Music、iCloud、iMessage、FaceTimeなど)を利用するためのもの。これがApple Accountに変更されるが、その理由としては、Appleのサービスとデバイス間で、一貫したサインインエクスペリエンスを実現するためとしている。ユーザーの既存の資格情報に依存するとのことだが、具体的に名称以外に何か変わるのかは不明だ。

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