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【エンタがビタミン♪】高見沢俊彦ソロライブで「気持ちいいなぁ! 60代の今が一番」<ライブレポ>

TechinsightJapan 2017年9月7日 22時0分

THE ALFEEの高見沢俊彦(63)が9月2日、3日、パシフィコ横浜・国立大ホールにてソロライブ『真夏の夜の夢 2017 ‐ Night of Pacifico ‐』を開催した。8月30日にリリースしたばかりのソロ活動25周年記念ベストアルバム『美旋律 ~Best Tune Takamiy~』の収録曲をはじめ、ソロ活動初期の楽曲、インスト曲、カバー曲などメタルロックからムーディーな楽曲まで幅広いTakamiyの魅力を両日で8,000人の観客に惜しげもなく披露した。テックインサイトではこのライブの初日を取材した。

ステージ後方中央から両手を高く掲げたTakamiyこと高見沢俊彦が大きな歓声と拍手に迎えられて登場、1曲目の『ULTRA BURN』をハンドマイクで歌い上げる。2曲目の『エデンの君』からはギターを持ち、『雷神の如く』までメタルチックなナンバーで駆け抜けた。「『Night of Pacifico』へようこそ! 今夜も今年最大の思い出を作りたいと思います。最後までよろしく!」と高見沢が呼びかけると、会場は大歓声で応えた。



続けて『ダンシングばけーしょん! ~ダイエット編』『Fire』を演奏して高見沢は「2年ぶりのメタルは結構来るなぁ」と苦笑するも、「気持ちいいなぁ!!」と実感を込めた。今回のバンド編成は、高見沢が「一度一緒にやってみたかった」と熱望していたギタリスト鳥山雄司をスペシャルゲストに迎え、他にギター佐藤大剛、ベース安達貴史、そしてTHE ALFEEのサポートメンバーでもあるドラムス吉田太郎、キーボードただすけという布陣である。

ライブはその後、ミディアムテンポのナンバー『Super Star』『仮面の宴』を経て、『東京ロンリー・ナイト』へ。この曲は、あのインストゥルメンタル・バンド「ザ・ベンチャーズ」に高見沢が曲を提供し、のちに歌手・藤田恵美の依頼があり、歌詞をつけたもの。高見沢、鳥山、佐藤のギタリスト3人が「ザ・ベンチャーズ」でお馴染みのギター「モズライト」を提げた光景に高見沢は「3人でモズライト持っているバンドは初めて」と嬉しそうに笑った。「ベンチャーズか加山雄三かゴジラ。それぐらい好きだった」と明かしてから高見沢は、ところどころ「ザ・ベンチャーズ」を想起させるフレーズを織り込んだ、どこか歌謡曲チックな同曲を軽快に聴かせた。

ムーディーでジャジーな『Night of Rouge』、1991年リリースのソロ初アルバムから『17のときに逢いたかった』を披露した後は、怒涛のメタルパートへ突入した。高見沢が「自分の曲の中で聴く回数が多い曲」という『VAMPIRE ~誘惑のBlood~』に始まり、『月姫』『嵐が丘』『Fantasia ~蒼穹の彼方』へ。『Fantasia…』ではいくつもの赤い炎が演奏に合わせて幾度も立ち上り、圧倒的な生のパワーがダイレクトに体に伝わってくるよう。会場のボルテージも上昇し、ギターをカッティングする高見沢の力強い右手が、まるで戦いを挑んでいるかのように見えた。「どうもありがとう!」と高見沢はギターを上に掲げ、ステージを後にした。



アンコールでは、スペシャルゲストの鳥山雄司とアコースティックギターを持った高見沢の2人がステージに。まずは高見沢が「高校のときにラジオから流れて感動した」というニルソンの『Without You』をカバーした。高見沢の持ち味であるハイトーンボイスが冴えわたり、彼のためにあるかのような一曲だ。『Fiance』を聴かせた後は、バンド編成に戻り、インストゥルメンタルの『Techno Glamourous(’59 LP Standard)』で高見沢は鳥山や佐藤と向かい合ったり、背中合わせになってギター演奏を楽しんだ。

そして一転、EDM(Takamiyではエレクトリック・ダンス・メタル)の『誘惑の太陽』では会場のファンがポンポンを持って踊り、アルフィーに似たダンスグループ「BEAT BOYS」のナンバー『誰よりもLady Jane』ではファンが手の振りで参加する。高見沢もギターを弾きながら、当時を真似てサイドへ大きなステップを披露した。

そして『騒音おばさん VS 高音おじさん』に続くと、会場は一体になって「ヘイ!」とこぶしを突き上げ、さらに盛り上がる。ギタリスト3人ともエンジェルギターを手に、ステージ中央の前に出て並び、ギターを弾きまくる。高見沢がヘッドバンギングをすると、髪がリズミカルに揺れる。「これぞTakamiy!」という圧巻の演奏だ。



2度目のアンコールに登場した高見沢は「一番尖っていたあの頃の自分とこれからの未来へ向かってこの曲を…」と紹介して『孤独なRudy Boy』を披露、大きくジャンプしてこの曲の最後を飾った。そして熱いステージをともにした鳥山雄司と固く握手を交わし、上手・下手・中央で深々とお辞儀をしてファンに感謝の気持ちを伝えると、ステージを去って行った。

この日のMCで高見沢は、自身を振り返って「20代、30代、40代、50代…今が一番いいなぁ!」と胸中を明かし、「(歳を重ねて)だんだん見える範囲が変わってくる。あの頃分からなかったけど、今、分かることがある。生きていればこそだね。だからこれからは健康寿命を考えて、一日でも一時間でも長く生きていきたいと思います」と宣言して拍手喝采を浴びた。60代の自分が「一番いい」という高見沢。いつも全力投球し、今もパワーアップし続けている彼ならではの言葉ではないだろうか。高見沢俊彦そしてTHE ALFEEの音楽を軸にしたストーリーはまだまだ続いていくのだ。

写真撮影:HAJIME KAMIIISAKA
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

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