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【海外発!Breaking News】がんで片目を失った女性、アイパッチでビジネス展開(英)<動画あり>

TechinsightJapan 2017年10月14日 1時47分

毎年10月の第2木曜日は「世界視力デー」で、今年は10月12日に世界各地で様々なイベントが行われた。そんななか『Inside Edition』『BBC News』『KentOnline』などが極めて珍しい目のがんを患ったイギリスに住む女性のニュースを伝えた。

ケント州ディールに暮らす2児の母トニー・クルーズさん(27歳)が、右目が頻繁に腫れた状態になると気付いたのは昨年5月のことだった。家族に「なんだか泣いた後みたい」と言われているうちに視界がぼやけてきたため、念のためにとドーバーにある眼科医で検査をしてもらうことにした。

当初は「オーバーに考え過ぎかしら」と思っていたトニーさんだったが、検査をした眼科医は右目の裏にある奇妙な線に気付いた。そこでアッシュフォードにあるウィリアム・ハーヴィー病院でMRI検査を受けたところ、悪性腫瘍があることを告げられた。

翌日、トニーさんはロンドンのムーアフィールズ眼科専門病院(Moorfields Eye Hospital)へ向かい、手術で攻撃性の高い涙腺腫瘍を除去した。トニーさんはがん患者をサポートする慈善団体「Macmillan」にアドバイスを得ようと尋ねてみたところ、「聞いたことない」と言われたという。医師も涙腺に悪性腫瘍ができるというのは非常に珍しいため、どこかから転移してきたのではとトニーさんの全身CT検査を行ったが、幸いにも他にがんは見当たらなかった。

医師からは今後の治療として涙腺を除去し放射線治療を行う選択もあると言われたが、生存率がより高くなる眼窩とまぶたや筋肉など周りの組織を摘出することを勧められ、トニーさんは迷わず「私の人生は外見よりもよほど大切」と思い、9月20日にウィリアム・ハーヴィー病院にて眼窩内容除去術をした。

その後数か月は義眼ができるのを待っていたトニーさんだが「これからも前みたいに子供たちの学校の送り迎えもしたいし、また自分に自信を持てるようになりたい」と思い、薬局で黒いパッチを購入しカスタマイズした。それがきっかけとなって「これでビジネスができないか」と思ったトニーさんは家族に相談し、かかりつけの医師に作ったアイパッチを見せると「あなたが思っている以上に多くの人がアイパッチを求めているだろうから、ビジネスをやってみるといい」という言葉を貰った。

そしてトニーさんは、自身のFacebookやTwitterなど複数のSNSアカウントや大手クラフトサイト「Etsy」に、『Bling-k of an eye』と名付けたビジネスを展開させた。医療素材のアイパッチに、ラインストーンやスワロフスキーのクリスタル、生地などを張り付け、パイレーツやスーパーマン、ダース・ベイダー、動物、花など、時には子供たちのアイデアも取り入れて様々なデザインを仕上げた。

1つのアイパッチを完成させるのに8時間を要したりと一日がかりになることもあるようだが、「パッチ作りはいいセラピーになります。子供たちが寝た後、何か集中できることがあるのもいいことですし」とトニーさんは話している。トニーさんがカラフルでユニークなアイパッチを着けて子供たちの学校に送り迎えに行くと、他の子供たちから「かっこいい」という声があがったそうだ。また、街を歩いていても「それ、どこで買ったの?」と呼び止められることもあり、これまでにバーミンガムやエセックスといったイギリス国内からだけでなくアメリカからも注文を受けたという。ちなみに値段は10ポンド(約1,500円)からとなっている。

病後も前向きに人生を歩んでいるトニーさんは、「怪我や病気、がんなどで自信を失った人たちに再び自信を取り戻す手助けをするこのビジネスを成功させることが私の夢です。利益のいくらかを、がんをサポートする複数の慈善団体に寄付したいし、私のような珍しいがんへの注意喚起も促したい」と話し、テックインサイトの取材にも「病気になって、自分が強くなって人生に感謝して生きるようになりました。家族や友人を今まで以上に大切にして、ネガティヴな考えの人をあまり気にせずに過ごせるようになりました。私のストーリーが日本でがんと闘うみなさんの励みに少しでもなれば」と語ってくれた。



画像は『Inside Edition 2017年10月11日付「Mom Who Lost Her Eye to Cancer Starts Business Making Bejeweled Eye Patches」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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