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【海外発!Breaking News】知的障がいを理由に子供の親権を奪われた両親、悲しみを吐露(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2017年11月25日 21時54分

何の罪も犯していないにもかかわらず、愛する我が子を奪われることほど悲しいものはない。米オレゴン州に住む両親が、知的障がいを抱えているという理由で児童保護サービスから子供2人を取り上げられ、親権を剥奪された悲しみを語った。『Inside Edition』『OregonLive.com』『The Independent』などが伝えている。

オレゴン州レドモンドに暮らすエイミー・ファブリーニさん(31歳)とエリック・ジーグラーさん(38歳)は、「子育てするには知能不足」と同州児童保護サービスに子供2人を取り上げられ親権を剥奪された。この4年間、2人はオレゴン州当局に「自分たちは子育てする能力がある」と主張し親権を取り戻すために闘い続けている。

児童保護サービスのケースワーカーは、エイミーさんとエリックさんの第1子であるクリストファー君(現在4歳)が誕生して4日目に「あなたたちの知り合いから通報があった。親として子育てする能力がなく、安全な環境を整えることさえできない」としてクリストファー君を里親のもとへと引き渡したのだ。

エイミーさんは当時、前の結婚で授かった双子(現在10歳)と実父レイモンドさん(74歳)と一緒に暮らしており、陣痛が起こるまでクリストファー君の妊娠に気付かなかった。もともと腎臓に問題を抱えていたエイミーさんは、腹部の痛みや不快感は腎臓の病が原因だと思っていたという。ところが突然の出産となってクリストファー君が産まれた。搬送先の病院では母子ともに健康で問題はなかったが、レイモンドさんは普段からエイミーさんと折り合いが悪く、双子に加えて新生児が同居することを嫌がった。そのためエイミーさんはクリストファー君を連れて、彼の父親であるエリックさんのもとへ引っ越した。

突然の出産で子育ての準備が全くできていなかったエイミーさんとエリックさんのもとを訪問した児童保護サービススタッフは、「子供が欲しているサインを読み取ることができず、父親は床にいるクリストファー君を押し潰しそうになった」と主張し、クリストファー君を2人から取り上げた。さらに双子の親権までも奪い、彼らの父親のもとへと引き渡した。

今年初め、エイミーさんは再び新たな命を授かった。今回は出産前に必要な物を買い揃えており、子育てには万全の準備が整えられてあった。しかし児童保護サービススタッフは病院を訪れ、産まれて間もないハンター君(現在8か月)をエイミーさんから引き離し、クリストファー君と同じ里親のもとへ預けた。

エイミーさんとエリックさんはともに高卒で、エリックさんはADD(注意欠陥障がい)の診断を受け障がい者手当を受給している。また2人は当局からIQ検査を受けさせられたが、平均IQ値が90~110であるのに対し、エイミーさんは72、エリックさんは66しかなかった。政府当局の報告によると、アメリカでは知的障がいを持つ80%の親が子供の親権を剥奪されているという。2人が裁判所の許可を得てクリストファー君のもとを訪れる際に監視役となり、また現在は2人の代弁者としてサポートしているシャーリーン・ハーゲンバハさんはこのように話している。

「私は仕事柄、薬物関連で逮捕、起訴され刑務所から戻ってきた親が、自分の子供を取り戻した後定住する家もなく、学校にも行かせられないという酷いケースを目にしてきました。ですがエイミーさんとエリックさんには、子供たちへの虐待や育児放棄などは一切見られません。それなのに児童保護サービスは、親になるチャンスを与えず、2人をサポートするためのネットワークを築くこともないまま、さっさと子供を取り上げたのです。2人はクリストファー君の誕生後、確かに子育ての準備は整ってはいませんでしたが、だからといってクリストファー君が両親と住むべきではないという理由にはならないはずです。」

エイミーさんとエリックさんは今も子供たちの親権を取り戻そうと闘い続けている。エイミーさんは双子の子供たちにも頻繁に会いに行っており、クリストファー君とハンター君にもエリックさんと一緒に週に2~3回は会いに行く。しかし親子が会う場所は児童保護サービスの事務所であり、わずか数時間の間でさえも毎回監視のもとに置かれている。

「私たちは、あれをしてはダメ、こうしてはダメと一挙一動をいつも監視されている気分です。私は子供が大好きなんです。私の母はプレスクールで20年以上勤務していて、私の周りにはいつも多くの子供たちがいました。子供たちと一緒にいろんなことをするのが好きだし、将来も子供たちに関係のあることに携わっていきたいと思っています。IQはただの数字であって子育てには関係ありません。我が子を愛しているかどうか、きちんとサポートできるかどうか、また子供が親を必要とした時にそこにいてあげることができるかどうかが一番大切なことなのではないでしょうか。私はどれもこなす能力はあります。」

「このまま子供たちを取り戻せなかったらどうすればいいのか」とエイミーさんとエリックさんは子供を奪われた悲しみを吐露し、相当なストレスを感じているようだ。アメリカではこの2人のように、我が子と引き離され苦難を抱える両親が他にも存在する。

2015年にはマサチューセッツ州で、中度の知的障がいを持つ母親が2歳の娘の親権を巡って闘い、裁判では母親が勝訴、里親に預けられていた娘を取り返している。学習障がいを持つ親の支援をする「子育てを成功させる支援協会(The Association for Successful Parenting)」のスーザン・ユアンさんは、「母親は誠実で、子供のことを何より大切に思っている。IQが60以下となると、子育て能力に影響が出るかも知れないが、どんなIQレベルの人間でも子供にとって悪影響を及ぼす親になる場合もあるため、IQレベルは実際の子育てにあまり関係はない。世間はIQが低いと子育てができないと信じているがそれは大きな間違いだ」と発言している。

このニュースを知った人たちからは「なんだか映画の『アイ・アム・サム』を思い出して悲しくなった」「この両親、何も悪いことしてないんだからどうして子供を取り上げるのよ。返してあげるべきよ」「なんてこと。子供を所有物みたいに扱ったり、暴力振るう親がのうのうとしているのに、不公平過ぎる」「子供を可愛がっている親から引き離すなんて絶対に間違ってる」「これがアメリカ。最悪だな」といった声があがっている。



画像は『Inside Edition 2017年11月17日付「Parents With Intellectual Disabilities Share Heartbreak of Losing Custody of Their Children」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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