ひとりのホームレス男性から親切を受けた女性は、その恩返しをするべく立ち上がった。米ニュージャージー州に住む女性が窮地を救ってくれたホームレス男性のために寄付金サイトで募金を呼びかけると、目標額を大きく上回ったことを米メディア『Philly.com』『PEOPLE.com』などが伝えている。
先月のこと、ニュージャージー州ボーデンタウンに暮らすケイト・ マックルーさん（27歳）がジョニー・ボビットJrさん（34歳）に出会ったのは、夜が更けた州間高速道路上だった。
ケイトさんはこの日、フィラデルフィアの友人に会うために1人で車を運転していた。ところが高速道路を走行中にガソリン切れを起こしたことに気付き、路肩に車を停めた。現金を全く持っていなかったケイトさんは恋人のマーク・ダミーコさん（38歳）に電話し、迎えに来てもらうまで立ち往生の状態となった。
そんな様子に気付いたのが、高速道路脇で1年半ほどホームレスをしているジョニーさんだった。彼はケイトさんに近付くと「ドアをロックして待ってて。私を信用してくれていいから」と言い、先にあるガソリンスタンドまで行きなけなしの20ドル（約2,200円）でケイトさんのためにガソリンを購入し戻って来てくれたという。
ケイトさんはマークさんにジョニーさんのことを話し、「今は手持ちがないけれど、後日必ずお金を返します」と約束した。翌日にカップルはジョニーさんのいる場所を訪れ、返金しお礼の言葉を述べた。それ以降も2人は何度かジョニーさんを訪ね、衣類や食料、数ドルを差し入れした。
ジョニーさんと話しているうちに、2人は彼のこれまでを知ることができた。ジョニーさんはノースカロライナ出身で、海軍で弾薬技術者として仕事をしていた経験もあった。さらに救急隊員としても勤務し、救命ヘリコプターに搭乗するフライトナースを目指していたこともあったそうだ。ジョニーさんがノースカロライナ州にいた時によく知っていたという友人（名前は本人の意思で公表されず）は、「ジョニーは救急隊員としての才能があった。医師にもなれるぐらい頭も良く、いい人」と話している。
ジョニーさんはホームレスになる前、自身のFacebookアカウントにこれらの様子を綴っていた。しかし2014年に恋人と破局したジョニーさんはドラッグに手を出すようになり、果ては経済破綻を迎えた。坂道を転がり落ちるように転落したジョニーさんの話を聞いたマークさんが「人生というのは運によってどう転ぶかわからないものだね」と言うと、ジョニーさんは「確かにこうなったのは不運だけど、自分でホームレスの人生を選んだのだから、誰も責めるものでもないさ」と答えたという。しかしホームレス暮らしをしても誰かを助けるというジョニーさんの思いやりは消えておらず、その人柄にケイトさんとマークさんは心打たれ、しばらくの間はジョニーさんのことが頭から離れなかったという。
「ジョニーは、自分の人生を反省しているようでした。ノースカロライナからフィラデルフィアまでやって来て、何もない彼の人生を思うと本当に大変だろうと察しました。でも彼は絶対に人生をやり直す気持ちがあるとわかりました。でも周りの助けがないとどうにもなりません。だから私たちは、彼を正しい方向へ導くために手助けをしたいと思ったのです。もし数か月でも募金を集めることができれば、彼はきっと生計を立て直すことができるでしょう。」
そして11月10日、2人は寄付金サイト『GoFundMe』にアカウントを設置し、目標金額を100,000ドル（約1,100万円）に定めた。後日ケイトさんとマークさんから、多くの人が自分に寄付してくれていることを聞いたジョニーさんは、「なんてことだ！」と喜びを露わにしたそうだ。
ジョニーさんへの寄付金額は現在、目標額を大きく上回り35万ドル（約3,900万円）以上も集まっている。このお金はジョニーさんが今後家を借りたり、食事や仕事を探したりする資金に充てられるという。ジョニーさんは世間の親切に驚き感謝しながらも「ニュージャージー州に住みたい。Amazonの倉庫で仕事をすることができれば、会社が医療補助もしてくれるから」と話しており、ジョニーさんの人生の立て直しに一役買ったケイトさんとマークさんも「彼の反応をとても嬉しく思う」と話している。
このニュースを知った人からは「カップルもジョニーさんも親切な人で、心が温かくなった」「愛と思いやりと親切が感じられるニュースに感動した」「ジョニーさん、これからの人生頑張ってね」「彼のことだからきっと集まったお金は他のホームレスたちとシェアするんじゃないかな。でもまずは自分の人生、しっかり立て直せるといいね」といった声があがっている。
画像は『GoFundMe 2017年11月10日付「Paying it Forward」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 エリス鈴子）
先月のこと、ニュージャージー州ボーデンタウンに暮らすケイト・ マックルーさん（27歳）がジョニー・ボビットJrさん（34歳）に出会ったのは、夜が更けた州間高速道路上だった。
ケイトさんはこの日、フィラデルフィアの友人に会うために1人で車を運転していた。ところが高速道路を走行中にガソリン切れを起こしたことに気付き、路肩に車を停めた。現金を全く持っていなかったケイトさんは恋人のマーク・ダミーコさん（38歳）に電話し、迎えに来てもらうまで立ち往生の状態となった。
そんな様子に気付いたのが、高速道路脇で1年半ほどホームレスをしているジョニーさんだった。彼はケイトさんに近付くと「ドアをロックして待ってて。私を信用してくれていいから」と言い、先にあるガソリンスタンドまで行きなけなしの20ドル（約2,200円）でケイトさんのためにガソリンを購入し戻って来てくれたという。
ケイトさんはマークさんにジョニーさんのことを話し、「今は手持ちがないけれど、後日必ずお金を返します」と約束した。翌日にカップルはジョニーさんのいる場所を訪れ、返金しお礼の言葉を述べた。それ以降も2人は何度かジョニーさんを訪ね、衣類や食料、数ドルを差し入れした。
ジョニーさんと話しているうちに、2人は彼のこれまでを知ることができた。ジョニーさんはノースカロライナ出身で、海軍で弾薬技術者として仕事をしていた経験もあった。さらに救急隊員としても勤務し、救命ヘリコプターに搭乗するフライトナースを目指していたこともあったそうだ。ジョニーさんがノースカロライナ州にいた時によく知っていたという友人（名前は本人の意思で公表されず）は、「ジョニーは救急隊員としての才能があった。医師にもなれるぐらい頭も良く、いい人」と話している。
ジョニーさんはホームレスになる前、自身のFacebookアカウントにこれらの様子を綴っていた。しかし2014年に恋人と破局したジョニーさんはドラッグに手を出すようになり、果ては経済破綻を迎えた。坂道を転がり落ちるように転落したジョニーさんの話を聞いたマークさんが「人生というのは運によってどう転ぶかわからないものだね」と言うと、ジョニーさんは「確かにこうなったのは不運だけど、自分でホームレスの人生を選んだのだから、誰も責めるものでもないさ」と答えたという。しかしホームレス暮らしをしても誰かを助けるというジョニーさんの思いやりは消えておらず、その人柄にケイトさんとマークさんは心打たれ、しばらくの間はジョニーさんのことが頭から離れなかったという。
「ジョニーは、自分の人生を反省しているようでした。ノースカロライナからフィラデルフィアまでやって来て、何もない彼の人生を思うと本当に大変だろうと察しました。でも彼は絶対に人生をやり直す気持ちがあるとわかりました。でも周りの助けがないとどうにもなりません。だから私たちは、彼を正しい方向へ導くために手助けをしたいと思ったのです。もし数か月でも募金を集めることができれば、彼はきっと生計を立て直すことができるでしょう。」
そして11月10日、2人は寄付金サイト『GoFundMe』にアカウントを設置し、目標金額を100,000ドル（約1,100万円）に定めた。後日ケイトさんとマークさんから、多くの人が自分に寄付してくれていることを聞いたジョニーさんは、「なんてことだ！」と喜びを露わにしたそうだ。
ジョニーさんへの寄付金額は現在、目標額を大きく上回り35万ドル（約3,900万円）以上も集まっている。このお金はジョニーさんが今後家を借りたり、食事や仕事を探したりする資金に充てられるという。ジョニーさんは世間の親切に驚き感謝しながらも「ニュージャージー州に住みたい。Amazonの倉庫で仕事をすることができれば、会社が医療補助もしてくれるから」と話しており、ジョニーさんの人生の立て直しに一役買ったケイトさんとマークさんも「彼の反応をとても嬉しく思う」と話している。
このニュースを知った人からは「カップルもジョニーさんも親切な人で、心が温かくなった」「愛と思いやりと親切が感じられるニュースに感動した」「ジョニーさん、これからの人生頑張ってね」「彼のことだからきっと集まったお金は他のホームレスたちとシェアするんじゃないかな。でもまずは自分の人生、しっかり立て直せるといいね」といった声があがっている。
画像は『GoFundMe 2017年11月10日付「Paying it Forward」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 エリス鈴子）