Infoseek 楽天

【エンタがビタミン♪】高嶋政伸演じる加賀谷専務が“モンスターペアレント”に 密度の濃かった『先僕』最終話

TechinsightJapan 2017年12月17日 13時50分

嵐の櫻井翔が校長先生役で主演するドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)が、12月16日の放送で最終回を迎えた。総合商社の営業マンが私立高校の業績を立て直すために出向させられ、当初は生徒や教師を巡る学校の現実に戸惑うものの、やがて生徒たちの人生を手伝うことにやりがいを感じていく。櫻井はそんな主人公・鳴海涼介が校長そして人として成長する姿を好演した。

第9話で加賀谷圭介専務(高嶋政伸)から樫松物産に戻るか、会社を辞めて校長の道を選ぶか決断を迫られた鳴海。さらに樫松物産のOLで恋人の松原聡子(多部未華子)と疎遠になり、婚約解消を告げられてしまう。最終話のサブタイトルが「さよなら校長先生!僕が伝えたかった最後の言葉」なので、鳴海校長が京命館高校を去るまでを描くかに思われたが…。

ストーリーは鳴海がどの道を選ぶかと聡子との関係を柱に進みつつ、それとともにこれまでの数か月で変貌を遂げた京命館高校を映し出すこととなった。

たとえば日本史教師で1年担任の市村薫(木南晴夏)の女生徒が音楽教師・矢部日菜子から合唱の授業を受けている際に倒れて保健室に運ばれる。クラスメートによると最近体調が悪そうだったという。やっかいな問題に発展しそうな流れに先生たちも心配するが、彼女は「寝不足が原因」だと話して毎日深夜まで勉強をしてあまり寝ていないことを明かす。

入学した頃は滑り止めで入ったこともありやる気が出なかったが、最近は「京命館高校が好き」になって次のテストは頑張ろうと奮起したというのだ。それを聞いた薫や日菜子は自分たちも「京命館高校が好き」になったことに気づかされる。

一方、樫松物産ではクールな専務秘書・香坂友梨子(松本まりか)が加賀谷専務のやり方に反発、専務の息がかかった物理教師・郷原達輝(荒川良々)に電話で「鳴海校長に辞めないよう説得して」と依頼する。また、友梨子から加賀谷専務が鳴海に選択を迫っていることを知らされた聡子は動揺を隠せない。

その聡子を狙う上司・後藤田圭(平山浩行)は彼女が鳴海との婚約を解消したことを知り喜ぶが、その直後に加賀谷専務から鳴海に代わり京命館の校長として出向する話を告げられて落ち込む。

ほかにも先生や生徒たちの様々な動きがあり時間が足りないほど濃い内容となったが、やはりクライマックスは鳴海校長が夏休み前に各学年の生徒たちに語る場面だろう。

特進クラスの3年生には「隣の人と自分を比べる必要なんてない。目指すは自己ベスト、自分史上最高の自分になることを目指してこの夏を過ごしましょう」、新入生には「高校1年の君たちと10年後の君たちは別人ではない。今日の自分が明日の自分になり、明日の自分が明後日の自分になる。10年後の自分がなりたいイメージがあるならば、今日のうちにやっておかねばならないことが1つや2つはあるはず」と話した。

そして2年生には「皆はこの夏にやれることを思いっきりやってください。勉強は大事だが、大学に入ることがゴールではなくその先に社会がある。学校とは全く違うルールでできた世界にいずれ出て行かねばならない」「校長だが偉そうにするつもりはない。僕はただ、皆より少しだけ先に生まれてきただけなんだから。だからひとりの人間として伝えたい」との趣旨で切り出し次のように続ける。

「これからいろいろなことが起きて悩むこともあるだろう。だが誰も未来を見通す力はない、そもそも君たちが何かをするまで未来なんて存在しないんだ。だから君たちができることはあがくことだけです。あがいて進んでいくと見えてくる景色がある。やってみないと見えないことしかないと言えるかもしれない。なんでもやってみよう冒険してみよう」と投げかけ、職員室でも「生徒は先生たちが(夏休み期間中に)どう変わるか期待している」と訴えた。

ラストシーンでは「キング・オブ・モンスターペアレント」となった加賀谷専務が、高校に怒鳴り込み「なんで娘のテストの結果が悪いのか?」とクレームをつける。彼は鳴海をどうしても「校長先生」と呼べず、その鳴海校長から「大丈夫、おじょうさんにはまだ伸びしろがあります」と諭されて苦悶の表情を浮かべるのだ。

本作ではメイン舞台となる京命館高校と、対照的な樫松物産での加賀谷専務と秘書・香坂による独特な雰囲気が見どころの1つでもあった。なにより高嶋政伸の存在感が強く、最後まで櫻井翔と「鳴海×加賀谷」の関係を演じて、終わり切れないドラマをまとめる役どころとしては適任だったのではないか。

画像は『松本まりか 2017年12月9日付Twitter「お支えする加賀谷専務と。」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

この記事の関連ニュース