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【海外発!Breaking News】35,000フィート上空のエールフランス機内で、2人の医師が出産に立ち会う(米)

TechinsightJapan 2018年1月25日 21時58分

フライト中の出産となると医療機器や専門医などが揃っていない状況ゆえ、陣痛を起こした母親も不安が拭えないだろう。しかし幸運にも2人の医師が機内に搭乗しており、妊婦は無事に出産を終えた。『The Independent』『PEOPLE.com』『Mirror』などが伝えている。

2017年12月17日、銀行員のトーイン・オグンダイプさん(Toyin Ogundipe、41歳)はナイジェリアとイギリス(一部報道ではUSとも)を行き来する生活をしており、この日は4歳の娘エイミーちゃんを連れてフランスからニューヨークに向かうエールフランス機に搭乗していた。しかし8時間のフライトの半分ほどの地点で、出産予定日より1週間早く陣痛が起こってしまった。

同じ便に搭乗していた米オハイオ州の「Cleveland Clinic’s Glickman Urological and Kidney Institute (クリーブランド診療所 グリックマン泌尿器科・腎臓研究所)」に勤務して2年目の研修医シフ・ヘイマル氏(Sij Hemal、27歳)は、前日にインドのニューデリーで友人の結婚式に参加し帰路に着く途中だった。

長時間のフライトと時差ボケで疲れていたこともあり、シャンパンでも飲んで睡眠を取ろうとしていた矢先、「医師はいらっしゃいますか」というCAのアナウンスを聞いてヘイマル医師はすぐに立ち上がった。その時、飛行機はグリーンランド南部の海岸線上空を飛んでおり、緊急着陸には2時間ほど先のアゾレス諸島にあるUS軍事基地が考えられたが、目的地のジョン・F・ケネディ国際空港まではあと4時間で到着する。トーインさんの容態に異常がなく陣痛の間隔が大きかったこともあり、飛行機はそのままジョン・F・ケネディ国際空港を目指すことになった。

偶然にもヘイマル医師の座席の隣に座っていたのは、セネガルのダカールで会議を終えて帰路に着こうとしていたフランス人の小児科医スーザン・シェパードさんだった。ヘイマル医師はシェパード医師と協力して、機内に備え付けられてあるシンプルな医療キットを使い、トーインさんの血圧や酸素レベル、脈拍などをチェックし続けた。

泌尿器科に属していながらも、過去にメディカルスクールで7人のお産に立ち会った経験があったヘイマル医師は後にこう明かしている。

「母親の陣痛は約10分おきにきていました。私とシェパード医師は彼女の容態を確認しながら、リラックスできるように努めました。我々医師は、緊急事態でも常に冷静に状況を判断するように訓練されていますから。」

ヘイマル医師の冷静さが伝わったのだろう、トーインさんも35,000フィートの上空で陣痛が起こったにもかかわらず、不安を感じることはなかった。やがて1時間も経たないうちに陣痛の間隔が7分から5分、5分から2分へと狭まったことで、ヘイマル医師とシェパード医師はジョン・F・ケネディ国際空港に到着する前に出産を迎えることを覚悟した。

CAがエイミーちゃんを見ている間、2人の医師はトーインさんをスペースのあるファーストクラスへと促した。幸いにも数人の乗客しかおらず、30分後にトーインさんは無事に男児ジェイク君を出産した。ヘイマル医師は簡単な外科用具と靴ひもを使ってへその緒を縛り、はさみで切った。その後、シェパード医師がジェイク君の健康状態をチェックし異常がないことがわかると、トーインさんは初めて我が子を抱くことができた。

やがて飛行機は目的地に到着し、すぐにトーインさんとジェイク君は病院へ搬送された。幸いにも異常はなく、その日に帰宅することができたようだ。現在は一家が暮らすニュージャージーの自宅で回復している。トーインさんは、出産を介助してくれた2人の医師をこのように絶賛した。

「機内での出産となりましたが、安心して2人に任せられると思ったのでリラックスすることができました。彼らは分娩室にいる時の医師や助産婦以上に、全力を尽くしてくれました。」

ちなみにヘイマル医師は、その後も最終目的地までの便に乗り換えなければならなかった。幸いにもクリーブランド行きの機内では何事もなく、帰路に着いたようだ。後日、エールフランス航空から機内で飲み損ねたシャンパンを楽しんでほしいという思いからか、シャンパンと旅行券が届けられたという。

「何が起こってもおかしくない状況でしたが、無事に出産を迎えられてホッとしました。小児科医が隣に座っていたのも、運命のようなものです。」

このように述べたヘイマル医師だが、トーインさんやシェパード医師とはその後も連絡を取り続けているそうだ。このニュースを知った人からは「なんて素敵なニュースなの」という称賛の声がある一方で、「出産予定日がそんなに近ければ、飛行機に乗ることは許されないのでは?」といった疑問の声もあがっている。

画像は『Mirror 2018年1月19日付「Off-duty doctor delivers baby boy at 35,000ft after mum goes into labour halfway through 8-hour Air France flight」(Image: MEGA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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