旅客機、雷浴びてもなぜ大丈夫? JAL便は「2度被雷もちゃんと着陸」、裏には設計の妙が
乗りものニュース / 2024年4月4日 16時12分
飛行中に2度も雷が直撃したため、関西空港へと目的地を変更したJAL便。しかし「落雷」では機体に異常がないと判断されればフライトが続行されるケースも一般的です。なぜでしょうか。
飛行機に雷 ちゃんと対策はしていますよ
2024年4月3日、宮崎発羽田行きのJAL(日本航空)694便が飛行中、雷に2度直撃したため、関西空港へと目的地を変更しました。乗客乗員は全員無事ではあったものの、機内で異臭が発生したことが目的地変更の要因と報じられています。
しかし、旅客機は雷に打たれても、このように着陸できるほか、機体に異常がないと判断されればフライトが続行されるのが一般的です。なぜ飛行を継続できるのでしょうか。
旅客機には、引火性のジェット燃料や精密機械が詰まっています。もしこれらにそのまま雷が直撃すれば、最悪爆発するのでは、そうでなくても機械が故障するのでは……などと思うかもしれません。もちろん、そうならずに運航が継続できるよう、旅客機の設計には対策が施されています。
たとえば、客室の外殻と飛行機の内部は、電気を通すだけでなく、内部の電子機器の多くから電気の流れを隔離するように設計されていると報じている海外メディアもあります。
航空会社が説明する「雷対策」って?
そして、フィンランドの航空会社フィンエアーは公式サイト上で、機体への落雷について次のように説明しています。
「雷は通常、飛行機のコックピットの前側に落ちます。コックピットの窓の端が典型的な衝撃点となります。航空機の(外板に使用されている)アルミニウムの胴体は電気をよく通し、雷が航空機内部に影響を与えることはありません。放電は航空機の外面に沿って前方に進み、通常は航空機の主翼の先端や翼面、尾翼から再び空中に排出されます」
また、KLM航空によると、エアバスA350などのアルミニウム合金(複合材)ではない胴体ではない場合、超微細な銅メッシュ、または電気を伝導する特殊な種類のアルミニウム塗料が施されているとのことです。
またフィンエアーによると、機体メーカーが航空機の実用化に不可欠な認証「型式承認」を得るため、メーカーは航空機の雷保護が十分であることを証明する必要があるともしています。ただ一方で、被雷した機体はダメージが生じている可能性もゼロではないことから、到着後、入念な整備を行い安全を確認する必要もあるそうです。
現代の旅客機ではこのような対策が練られているものの、過去には、雷雲を要因のひとつとし発生した航空事故も発生しています。そうしたことから、パイロットは「雷雲を見たら避ける」というのがスタンダードになっています。
なお、フィンエアーでは「夜間飛行する場合、パイロットは落雷の可能性がある場合に備えて目を明るい光に慣れさせるために、コックピットの照明を明るいモードに調整します」とのことです。
【動画】衝撃的シーンだ… 「旅客機に雷があたる」の瞬間
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ほぼ自動操縦な旅客機が「離陸だけ手動」なワケ 実は自動で可能? 実用化されない理由も納得!
乗りものニュース / 2024年4月12日 16時12分
-
ナニコレ…? 明らかに特殊ルックスな「ジャンボ機」なぜその形に? 「中部空港だけにいる」納得の理由とは
乗りものニュース / 2024年4月10日 16時12分
-
「あれ、胴体が…」思わず2度見の“変わり種ジャンボ機”なぜ生まれた? その能力と隠れた功績とは
乗りものニュース / 2024年4月8日 7時12分
-
F-35A「ライトニングII」なのに“雷が大の苦手”解消!? 雷雨の飛行制限解除 米国ではエイプリルフールを疑われる
乗りものニュース / 2024年4月7日 19時12分
-
飛んだ!「世界初の超音速ジェット機」その場所は… 数々の“伝説の初飛行”を生んだ「飛行機の墓場」って!?
乗りものニュース / 2024年4月2日 16時12分
ランキング
-
1一時1ドル=160円台突破も一転154円台 “為替介入”の見方広がる 神田財務官「いつでも対応できる準備をしている」と市場けん制
日テレNEWS NNN / 2024年4月29日 20時16分
-
2中国、日本の輸出規制案は通常貿易に悪影響 「企業の正当な権利守る」
ロイター / 2024年4月29日 16時6分
-
3失業率3月は2.6%で横ばい、有効求人倍率1.28倍で0.02ポイント上昇
ロイター / 2024年4月30日 9時31分
-
4メニューたった3種類で急成長「鰻の成瀬」 東京チカラめし、いきなり!ステーキを反面教師にできるか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月29日 6時15分
-
5円急騰、市場に介入観測=財務官、実施明言せず―「投機による変動、看過し難い」
時事通信 / 2024年4月29日 19時33分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください