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【海外発!Breaking News】出生時に「余命1時間」と言われた男児、10歳誕生日を迎える(英)

TechinsightJapan 2018年1月29日 21時22分

我が子の誕生を待ち望んでいる親にとって、医師に中絶を勧められることほど辛いものはない。英ウォリックシャー州に住むある母親は、妊娠中に双子のひとりが稀な病気であることを宣告され、医師から「生まれても命は持たない」と告げられた。だがその男児は生を受け、このたび奇跡的に10歳の誕生日を迎えた。『Storytrender』『The Sun』などが伝えている。

ウォリックシャー州ナニートンに暮らすリアン・ダニエルさん(40歳)は双子を妊娠していた10年前、妊娠31週の検査で女児ルーシーちゃんには何の問題もないが、男児ジェイミー君には頭蓋の癒合障害のひとつで脳の一部が頭蓋骨から突出している「脳瘤」があること、生まれても1時間以上生き延びる可能性は少ないこと、また生き延びたとしても深刻な障がいが残ることを宣告され、後期中絶を勧められた。

残酷な宣告を受けたリアンさんは医師の言葉に従ってジェイミー君の中絶を考えていたが、早期破水し2008年1月11日にジョージ・エリオット病院で双子を出産した。2ポンド7オンス(約1,106g)で誕生したジェイミー君を「助からない」と予測した医師らはNICU(新生児集中治療室)へ連れて行くこともなく、リアンさんに別れの言葉を告げるように伝えて別室へと促した。

しかしジェイミー君は医師の予想通りにならず、1時間経った後も生き続けたのだ。やがてミルクを口にするようになり体重も増え、1週間後には退院した。それでも外に出ていた脳の一部に変化が現れ、酷い臭いを放つ脳脊髄液が漏れ出し、常に顔を清潔にしていなければ液が固まって目を開けていられない状態に陥った。

リアンさんはなんとかして息子を救いたいという気持ちから、コヴェントリー大学病院にジェイミー君のMRI検査を要請した。その結果はバーミンガム子供病院の外科医に回されたものの、外科医からは「手術をしても命を落とす可能性があるし、手術しなければ間違いなく絶命してしまうだろう」という辛い宣告を受けた。それでもリアンさんは手術を受けさせることを選択、術後ジェイミー君は7週間入院した。その後も数回にわたり、顔の形を矯正するための頭蓋顔面外科手術を受けたジェイミー君は現在、脳性麻痺や学習障がいがある。しかし今年で、10歳の誕生日を迎えた。ここまでの道のりはまさに奇跡の10年であったといっても過言ではない。

子供たちの父親と別れたリアンさんは、学習障がいを抱える子供たちのサポートをする仕事をしながら双子を育てている。リアンさんが仕事に出ている間は、同居している母親が双子の面倒を見ているそうだ。今のジェイミー君は特別支援学校へ通っており、学校生活を楽しんでいるという。リアンさんは「たとえ誰かがにジロジロ見られても、息子は気にしていません。きっと他の子供たちとの違いが理解できないのでしょう。ですが息子は素晴らしい個性を持った子で周りの人たちからも好かれています」と話している。この10年、不安を抱えながらも懸命に我が子を育ててきたに違いない。最後にリアンさんはこのように心境を吐露した。

「息子が診断を受けるまで、こんな病気は聞いたことがありませんでした。病状を告げられた時はどうしていいかわからず、生まれても1時間しか生きられないと聞いて悲しみに沈みました。脳瘤は稀な病で、外科医も『20年間で同じケースを1件見ただけ』と言うほどです。もう何度も病院を行き来していますが、この病気についてはっきりしたことはわかっていません。でも、息子は医師らが間違っていたことを証明してくれたのです。息子の将来はどうなるか分かりませんが、10年間奇跡を起こし続けてくれています。息子にはこの先も生きて続けてほしい。娘のルーシーと一緒に2人の成長を見届けることは私にとって何より嬉しいことですし、いつか息子が自立できる日がくればと願っています。ジェイミーは、ルーシー同様、私には完璧な子供なのです。」

このニュースを知った人からは「まさに奇跡だ」「ジェイミー君、10歳の誕生日おめでとう」「素晴らしい話。これからも毎日を家族と幸せに過ごしてね」「心温まる。これからも強く生きて」「ポジティブな気持ちをもらった。ありがとう」「この一家に幸あれ」といった声があがっている。

画像は『Storytrender 2018年1月24日付「TWIN BOY BORN WITH BRAIN OUTSIDE SKULL CELEBRATES 10TH BIRTHDAY DESPITE ON HOUR LIFE EXPECTANCY」(Pic by Pete Goddard/Caters News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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