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【海外発!Breaking News】砂漠地帯の粗末な小屋で生活していた子供達 両親が虐待容疑で逮捕(米)

TechinsightJapan 2018年3月7日 5時0分

今年初めに米カリフォルニア州ぺリスで起きた、成人を含む我が子13人を監禁・虐待していた夫婦のニュースが全米中に衝撃を与えたことは記憶に新しいが、このほど同じくカリフォルニア州の吹き曝しの砂漠地帯で3人の我が子をベニヤ板でできた粗末な小屋に住まわせていた夫婦が、児童虐待の容疑で逮捕された。しかし一家を知る人々からは同情の声もあがっているという。『Los Angeles Times』『FOX6Now.com』『CBS Los Angeles』『Metro』など複数メディアが伝えている。

カリフォルニア州ジョシュア・ツリー国立公園郊外にある砂漠地帯で、廃棄された様子のキャンピングカーと小屋のようなものが同州サンバーナディーノ郡警察により発見された。驚くべきことにこの小屋の中には11歳、13歳、14歳の3人の子供が住んでいた。

子供の両親とされるダニエル・パニーコ(73歳)とモナ・カーク(51歳)は、4年前にキャンピングカーで3人の子供を連れてこの砂漠地帯にやって来て暮らしていたようだ。しかし、“生活”と称するにはあまりにも不適切な環境であった。

3人の子と母親の住居となっていた縦約305cm、横約610cm、高さ約122cmの空間は、ビニールシートとベニヤ板を繋ぎ合わせて作っただけの粗末なものだった。中には毛布が敷き詰められており、複数の椅子が今にも崩れ落ちそうな天井をかろうじて支えていた。外にあるキッチンのような場所には、缶詰の空き缶や空のボトルが大量に転がっていたが、一家には十分な食料品がなかったとも見られている。また、“住居”の周りには子供の玩具や自転車、本、家具らしきものが無数に散らばっており、まるでゴミ集積場のような雰囲気である。さらにこの敷地内には、一家が排泄用にと掘られた複数の穴もあった。

水道や電気、トイレやお風呂の設備さえないこのような状況はまさしくホームレスであるが、父親のダニエルだけは猫が30匹~40匹いるキャンピングカーの中で寝泊まりしていたようだ。

警察の調べでは、子供たちは学校に通っておらず、この荒れた生活環境の中でホームスクーリングを受けた形跡はなかったという。3人とも目立った外傷はなく栄養失調の様子もなかったものの、保護された子供たちは精神鑑定を受ける予定となっている。

3月1日、3件の児童虐待の重罪で逮捕・起訴されたダニエルとモナは、罪状を否認している。夫妻が不適切で安全とはいえない環境に子供を置き生活させていたことからも、児童福祉サービスは2人から子供の親権を剥奪した。だが夫妻の友人であるジャッキー・クリアさんは「2人は犯罪のような虐待を子供に加えていたのではなく、究極の貧困状態にあっただけ」と話している。ジャッキーさんがモナに会ったのは今から何年も前で、当時のモナが地元のコミュニティセンターで幼児のためのグループ「Mommy and Me」を運営していた時だったそうだ。

「母子は、よくユッカ・バレーにある図書館や自然博物館にいました。子供たちの父親は天才というべき人で、一番上の男の子はまさに父親のようでした。あんなに頭のいい子は見たことがないと思ったぐらいです。子供たち3人は、みんな本をよく読んでホームスクーリングでしっかりと教育を受けていました。でも、一家は限られた収入で生活が苦しく、ずいぶん前は1か月1ドル(約105円)の家賃を払って家を借りていたようですが、その後はキャンピングカーを私の家の裏に置いて1年ほど暮らしていました。砂漠へ引っ越したのは4年ほど前です。砂漠での生活は、見た目が酷いというのはわかります。でも子供たちは親からとてもよく可愛がられて面倒を見てもらっていました。」

地元スカウト団体「Phoenix Scouts」のリーダーを務めているジャッキーさんは、3人の子供たちは活動に参加しており週一のミーティングにも顔を出していたと話す。サッカーやクラフト作業も行いキャンプにも出かけ、クリスマスに子供たちはお揃いの赤いセーターとサンタの帽子を被って、年に1度のパレードでも行進していたようだ。ジャッキーさんによると、子供たちは経済的に困窮状態にある両親のことを常に気遣う姿勢を見せていたという。また、マンローさんという別の友人も子供の母親のことをこのように語っている。

「モナさんは、自分が苦境にいながらも人助けのために何でもするような女性でした。何年か前に、私が家の立ち退き命令を受けて困っていた時、彼女は500ドル(約53,000円)を差し出してくれたのです。」

さらに同じ砂漠地帯に住むマイク・レイノルズさんは一家の姿を数年前から知っていると話し、このように同情を寄せた。

「彼らはいつか自分の家を建てることが夢だったんじゃないかな。とても困窮した生活を送っていたようだが、子供たちは健康そうで両親にちゃんと守られている感じがしたよ。どん底生活をしていたのだろうが、犯罪者ではないと思う。もっとひどい環境で子育てしている人は他にもいるけど、逮捕されないだろ? この一家には罰ではなく助けが必要なんだと思う。」

現在、サンバーナディーノ郡モロンゴ・ベイシン刑務所にそれぞれ10万ドル(約1,060万円)の保釈金を設定され拘留中のダニエルとモナだが、裁判でバート・スウィフト判事により子供たちへの連絡を禁じられると、ダニエルは「なんでこんなことになってしまったんだ。バカバカしい」と口にしたという。

一家についての捜査は今後も引き続き行われるようだが、このニュースを知った人からは「子供を屋外のベニヤ板で仕切っただけの空間に住まわせて、何十匹もの猫とキャンピングカーで生活するという父親の神経が理解できない」「子供たちには絶対助けが必要だよ」「それにしてもカリフォルニアってなんでこんなにホームレスが多いのか」「親としては子供に精一杯のことをさせていたつもりなのかな」「それにしたってこんな酷い環境で子供たちを眠らせるなんて…もう少し子供たちのことを考えられなかったのか」といった声があがっている。

画像は『Los Angeles Times 2018年3月2日付「Friends say Joshua Tree couple is extremely poor, not abusive」(Irfan Khan / Los Angeles Times)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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