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【海外発!Breaking News】警察犬を刺した男、DNA検査で25年前の性犯罪が明らかに(英)

TechinsightJapan 2018年3月7日 17時55分

25年前、ある女性に耐えがたい苦痛を与えた男は素知らぬ顔で普通の生活を送っていた。しかし別件で警察が男のDNA鑑定を行ったところ、25年前の犯罪が明るみに出たという。英メディア『BBC News』『Shropshire Live』『Metro』などが伝えた。

警察の執念の捜査と犯人逮捕を願っていた女性の悲痛な思いがついに叶った。英シュロップシャー州ブリッジノースで昨年8月21日、「男がナイフを振り回している」という通報を受けたウエスト・マーシア警察は、警察犬“カントー”を連れてマーク=ジョン・ヘミングス(58歳)の自宅アパートへと向かった。

警官らに抵抗していたヘミングスは、跳びかかってきたカントーの胸を刃渡り20センチのナイフで刺した。その後、治療を受けたカントーは元気に回復し、勇敢な行為を称えられウエスト・マーシア警察から表彰を受けたという。しかし最も注目すべきことは、この件で25年前の犯罪の全容が明らかになったことだった。警察がヘミングスのDNAを採取し鑑定にかけたところ、1993年に性的暴行を受けた女性から採取された犯人のDNAと一致したのである。

1993年2月9日、同州テルフォードのテルフォード・タウンパークで、当時36歳だったマーガレット・ゴードンさんが仕事に向かう途中、突然何者かに背後から襲われた。犯人はマーガレットさんの喉元にナイフを突きつけて押し倒し、性的暴行に及んだ。当時の捜査員らは被害者から犯人のDNAサンプルを採取していたが、これまで適合者が見つからず20年以上も警察のデータベースに保管されていたという。

今回、ヘミングスのDNAとマーガレットさんを襲った犯人とのDNAが適合したことで、警察はヘミングスを性的暴行の罪で逮捕。ヘミングスは先月、同州シュルーズベリー刑事法院で25年前の罪を認めた。しかし残念ながら、被害者のマーガレットさんは2015年に他界している。ジェイムズ・キーリー検察官は法廷でこのように話した。

「被害者は、自分を襲った犯人が誰であるかを知ることもなくこの世を去ってしまいました。この事件が原因となって被害者とパートナーとの関係は破綻し、アルコール依存症に陥り仕事も辞めざるを得なくなったのです。」

3月2日、同法院で10年と6か月の実刑判決を受けたヘミングスに、アントニー・ロウ判事はこのように述べている。

「この25年の間、被告は結婚して子供を持ち、普通に生活してきた。彼の家族や友人らも被告が過去に凶悪な犯罪を犯したことなど全く知らず、普通の人と信じて疑うことなどなかったのだろう。仕事に向かう途中、突然見知らぬ男から襲われ性行為を強要された女性の恐怖は計り知れない。被害者やその家族は、被告のように25年間を普通に過ごすことなど全くできなかった。被告は女性に破滅的な影響を及ぼしたのだ。」

ヘミングスは仮釈放となるまで刑期の半分を終えなければならないが、仮釈放となっても一生「性犯罪者」として登録されることになる。マーガレットさんが被害に遭った時に15歳だった息子のジョンさんは、今回の犯人逮捕とその判決について次のように語った。

「あの事件は、母の人生をめちゃめちゃにしました。事件が起こる前までは母はとても幸せで、母がいると部屋が明るくなるような、そんな存在の人でした。ですが事件後、母は不安に苛まれて普通の生活を送ることが不可能になってしまって。あの出来事は母から全てを奪ったのです。母はいつも自分を襲った犯人がいつか逮捕されることを願っていて、亡くなる1週間前にも『いつかあの男は逮捕される』と口にしていました。今回、犯人が逮捕されたのはいいことですが、下された判決は母が失ったものと比べると軽すぎます。」

この事件に関わったマーク・ベラミー捜査官は、「被害者の女性にとって残酷で苦悩に満ちた出来事だった。犯人逮捕に向けて捜査を打ち切ることなく、多くの捜査員らが執念の細かい捜査をしたことと科学捜査のおかげで、今回の逮捕に至り有罪判決が下されたのだが、女性が他界してしまったことを本当に残念に思う。女性の家族らが犯人逮捕の事実に少しでも救われてくれることを願いたい。我々は今後も、犯罪が起こった日時に関係なく、性犯罪者を逮捕するまで追跡し続けていく」と話している。

画像は『BBC News 2018年3月2日付「Bridgnorth man jailed for rape after 25 years」(WEST MERCIA POLICE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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