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【海外発!Breaking News】上階の騒音被害を訴えた女性、1,500万円超の損害賠償金を受け取ることに(英)

TechinsightJapan 2018年12月25日 17時54分

マンションやアパート暮らしは、隣人の騒音に悩まされることも少なくない。このほどイギリスの高級マンションで、階下に住む女性が上の階の住民による騒音に平穏を妨害されたとして裁判所に訴えを起こし、勝訴した。『The Sun』『Mirror』などが伝えている。

ロンドン西部ケンジントンで1920年代に建てられた高級マンションの一部屋を260万ポンド(約3億6,600万円)で購入した裕福な銀行家サルベナズ・フレジさん(38歳、報道により39歳とも)は、真上に住む5人家族が引き起こす騒音に2010年から悩まされるようになった。

サルベナズさん曰く、一家が引っ越してくる前は上階からの騒音に悩まされることは一切なかったという。しかし、サラ&アーメド・エル・ケルラミ夫妻が家族経営のオフショア会社とともにこのマンションを購入後、引っ越し前に許可なく改装工事を行い、室内の壁を剥がして新しい木製の床を設置した。木製の床にはカーペットを敷くことなく、アパート間の騒音を制限するための防音措置対応を一切せず、契約違反を犯していた。

その後、夫妻は3人の子供を連れてマンションに引っ越してきたが、サルベナズさんは上の階から子供たちが夜遅くまで走り回る音やおもちゃを落とす音、遊ぶ声を頻繁に耳にするようになった。加えて、ボイラーや水道の音、冷蔵庫や暖炉の音などあらゆる生活音までがサルベナズさんと母親フェレシャント・サラマットさんを悩ませることになった。その結果、夜は睡眠を妨害され昼間は平穏さを乱された。サルベナズさんは母親と一緒に、真上の一家が立てるあらゆる音―皿洗いの音や子供たちの声、喧嘩の声などを逐一日記に記録として書き留め続けた。その記録には、子供たちが7時間ほど走り回って騒いでいたというものもあった。

2017年12月、サルベナズさんはセントラル・ロンドンの州裁判所でエル・ケルラミ夫妻に対し、騒音被害で損害賠償金を求める訴えを起こした。これに対して一家の弁護人は、「普通の生活音に対して過敏になっている。子供らの音はごく普通の家庭内で子供が立てる生活音と同じ。一家は地味で普通の生活を送っているだけだ」とサルベナズさんを非難した。しかしサルベナズさんは反論し、判事にこのように訴えた。

「子供たちは止まることなく音を立て続けています。家をまるで校庭のように思っているのでしょう。上が改装されるまでは、前の住民の音に悩まされることなど一切ありませんでした。私は自分の家の中で穏やかに暮らしたいだけです。誰でも、家では平穏を求めるものです。それが叶えられないとしたら、どうやって自宅で寛ぐことができるのでしょうか。上から降りてくる騒音は耐え難いものです。」

裁判では、エル・ケルラミ一家が故意に階下に騒音を引き起こし、サルベナズさんを不快にさせようとしているのではないことが明らかにされたと同時に、サルベナズさんと母親の騒音記録が大袈裟に綴られているとの指摘もあった。しかしながら、実際にケンジントン&チェルシー協議会の職員がサルベナズさん宅を訪問したところ、過度の不快な音が頻繁に漏れ聞こえることが判明した。

「真夜中でも子供たちのはしゃぐ声が聞こえ、上階からの騒音は不快なレベルだ。騒音の影響は侵略的で客観的な基準を乱すのに十分といっていいほど大きい」として今年3月、判事はエル・ケルラミ夫妻にサルベナズさんへ107,397.37ポンド(約1,510万円)の損害賠償金を支払うよう判決を下した。ところが、夫妻が控訴。結果として12月21日、裁判所から控訴を退けられた夫妻は、損害賠償金に加えて床の修繕工事を終えて騒音レベルを軽減するまで1日40ポンド(約5,600円)をサルベナズさんに支払うよう命じられた。

このニュースを知った人からは、「マンションやアパートなどでは、隣人の生活音は避けられないと思う。自分だって音を立てて生活しているわけでしょう?」「隣人の音をうるさいと訴えるのなら、マンションなんて買わずに普通に一軒家を買えばいいじゃないか」「ここロンドンだよ。マンションでさえこの値段だからね…」「でもこの場合は、上の階の家族も悪いでしょう。隣人のことを考慮していないのが明らか」「私もせっかくのマイホームを手に入れたのに最低な隣人のせいで散々な目に遭わされたわ。この女性の苦悩がわかる」といった声があがっている。

画像は『Metro 2018年12月21日付「Couple ordered to pay neighbour £100,000 because children are too noisy」(Picture: Google Maps)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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