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「私人逮捕の次はこういうのが流行る」へずまりゅう 弁護士連れて家庭訪問は違法か

週刊女性PRIME / 2024年4月20日 20時0分

5月下旬、魚の切り身を会計前に食べるへずまりゅう

 4月8日、“元・迷惑系YouTuber”のへずまりゅう氏が、自らを誹謗中傷した人物の自宅へ、弁護士を伴い「家庭訪問」したことをXで報告。

「警察を呼ぶと言われましたが敷地内には入っていないので建造物侵入に当たらないです」

「50万円で示談できたので彼の名前や住所は晒さないことにします」

 などと述べ、物議を呼んでいる。

「私人逮捕の次はこういうのが流行るのか」

 へずま氏は先月、ネット上で悪質な誹謗中傷をしてきたとして、8つのアカウントに対し発信者情報開示請求を行ったことを明かしていた。その際、「弁護士を連れて直接本人に会いに行きます」「態度が悪かったり謝罪の気持ちが伝わらない場合は名前や会社を晒します」と予告しており、今回はそれを実行に移した形だ。

 Xのユーザーからは「斬新なやり方」「どんどんやってほしい」と好意的な反応もあれば、「これって脅迫に当たるのでは?」「法的に大丈夫なの?」と疑問を呈する意見も。

「真似して開示請求しようかな」という声も多く、炎上系YouTuberとして知られる煉獄コロアキ氏も「家凸して50万ゲットは熱い」と興味を示していた。そんな様子をみてか、「私人逮捕の次はこういうのが流行るのか」と、“開示請求ビジネス”の誕生を危惧する意見もみられた。

 法的な問題については、「プロバイダ責任制限法に違反している」と具体的な指摘もあった。同法は、インターネット上で誹謗中傷などの権利侵害が発生した際に、プロバイダの損害賠償責任が免責される要件を明確化するとともに、プロバイダに対する発信者情報の開示を請求する権利、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続について定めた法律だ。

弁護士の見解は?

 結局のところ、へずま氏がとった行動は法的にセーフなのか?アウトなのか?誹謗中傷などの案件を得意とする、グラディアトル法律事務所の若林翔弁護士に聞いた。

「プロバイダ責任制限法の7条は、『発信者情報の開示を受けた者は、当該発信者情報をみだりに用いて、不当に当該発信者情報に係る発信者の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならない』と定めています。

 書面での損害賠償請求や交渉のアポイントをとることが可能な状況において、アポなしで訪問する行為は、その態様や相手との話し合いの状況次第では『名誉又は生活の平穏を害する行為』に該当する可能性があるかと思います」

 裁判所から開示請求命令が下った場合、その決定は開示請求を受けた者にも通達される。そして前にも述べたとおり、へずま氏は訪問を予告していたことから、完全な“アポ無し”とは言い切れない。しかし、相手の態度によっては「名前や顔を晒す」とした発言についてはどうなのか。

「今回のケースでは、示談ないしは損害賠償請求と晒すという脅迫行為の関連性は明らかではありませんが、示談が成立しなければ名前や住所などの個人情報を晒すと伝えて金銭を請求する行為は、恐喝罪に該当しうる行為です」

 へずま氏と当該人物の間で、実際にどのようなやり取りが行われたのか、詳細は明らかにされていない。ただ、仮に個人情報を晒していた場合は罪に問われていた可能性もあるということだ。

 なお、へずま氏は「次は埼玉県女性宅に家庭訪問しに行く」とも予告している。今後、このようなケースが増えたとして、実際に家に押しかけられた場合はどのような対策を取ればいいのだろうか。

「自宅に押しかけられた側としては、当該行為により生活の平穏が害されるのであれば、書面等での交渉や訴訟提起など、生活の平穏が害されない方法での対応を求めるべきです。また、後々の証拠にもなりますので、会話の録音等ができるとよいでしょう」

 結論として、法的にグレーな部分は見受けられるものの、手順さえ踏めばこういった「家庭訪問」は出来ないことはない、と言える。へずま氏の行動は今後も議論を呼びそうだが、大前提として、ネット上で誹謗中傷などしないことが一番である。

若林翔弁護士●顧問弁護士として、風俗、キャバクラ、ホストクラブ等、ナイトビジネス経営者の健全化に助力している。また、店鋪のM&A、刑事事件対応、本番強要や盗撮などの客とのトラブル対応、労働問題等の女性キャストや男性従業員とのトラブル対応等、ナイトビジネスに関わる法務に精通している。

取材・文/ゼロ次郎

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