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自覚できず社会問題に発展?「親子共依存」からの脱出!

JIJICO 2015年10月23日 15時0分

子どもの人生に介入しすぎる親が増えている

最近、子どもの人生にも関わらず、子ども以上に熱心になり過ぎる親が増えています。自分の人生で満たされないものを子どもに託そうとする親。心配することが愛情だと勘違いしている親。先回りして答えを出してしまう親。将来のレールを敷いてしまう親など。悪気なくむしろ正当だ、良いことだ、子どものためだと勘違いし、支配することが愛だと思い込んでいる親が目立ちます。

それは子どもの考える力を萎えさせ、主体性や自主性の芽を摘み、大人になっても受け身で指示待ち人間を生産する要因となり得ます。子どもの生まれ持つ気質にもよりますが、「怖い」と感じる恐怖心(防衛反応)が強い子どもは無抵抗で従ってしまい、反抗期のない子どもをつくりあげます。こうなると、親子共依存に陥りやすいといえるでしょう。

親子共依存の陥りやすいタイプは「視点を他者に向けている」

親子共依存に陥りやすいタイプは、親になるずっと前からもともと「視点を他者に向けている」タイプなのです。結婚前は親と共依存、子どもが生まれる前は夫に依存し、出産後は子どもに依存する。共依存の世代間連鎖です。逆に依存しないタイプは、視点が自分に向いています。子どもに向き過ぎても自分に向き過ぎても望ましくないため、中庸を取れれば理想です。

親子共依存から抜け出すためによく言われていることは、「目を外に向ける」対象を子どもではなく外界に向け、その世界で「自分を必要としてもらえるポジションを探し見つけること」です。そこで、生きがい、やりがいを感じて自分を満足させるのだと言われますが、これがなかなか簡単にはいきません。もちろん、自覚があって、自主的に治そうと思える人は、自力で目を外に向けられるでしょう。そのケースはもはや共依存というより、やや過干渉くらいです。また、気付けたということは、子どもにも抵抗があったからでしょう。

第三者である専門家のサポートが必要

しかし、社会問題になっているケースは、そんなものではありません。実際、親が自ら親子共依存に気付くことは少ないのです。気付けるくらいであれば、初めから共依存にという関係には陥りません。なぜなら、人間は自分の思うようにしたいと考え、自分の言うことしか聞きたくありません。「子どもに執着したいから依存する、しがみつく」という多くの親には、「愛着の歪み」「見捨てられ不安」が見られます。

この「執着、しがみつき」を手放すには、第三者である専門家のサポートが必要でしょう。家族相談士のような家族システムの視点でとらえる専門家に介入してもらい、個々の自立を目指します。自覚がないことがネックのため、周りの人が勇気を出して「おかしいよ」と教えてあげることが親切でしょう。また、診断チェックリストなどを利用し、テストをして自覚してもらいましょう。そこから自立への一歩が始まります。

(きくち みよこ/心理カウンセラー)

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