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数年後には年末調整の手続きがネットで簡単に!

JIJICO 2017年10月31日 7時30分

年末調整とは?

年末調整の時期が近づいてきました。年末調整とは、従業員に対して会社が支払った1年間(1月~12月)の給与に対する所得税について12月に再計算して過不足を調整することであり、約4300万人が利用しています。

他国ではあまり例がありませんが日本では、従業員に給与を毎月支払う際に本来従業員が国に支払うべき所得税を会社が給与天引きし、まとめて支払う仕組みになっています。この仕組みを源泉徴収、源泉徴収される所得税を源泉所得税といいます。

毎月の給与から源泉徴収される所得税は、所得控除の金額などが確定しないこともあり概算金額となります。

そのため、年間の所得税の金額を年末調整により確定させた上で、毎月の給料で所得税を払いすぎた人には還付され、支払いが少ない人は追加で徴収されます。

しかしながら、年末調整において、借入残高に応じて税金が減少する住宅ローン減税や生命保険料などを課税対象の所得から差し引くことのできる保険料控除の適用を受けるためには、住宅ローンと保険料の控除申告書を作成するとともに金融機関から送付される住宅ローン残高証明書と保険料控除証明書を会社に提出しなければなりません。慌ただしい時期に結構手間がかかっています。

一方、会社も従業員に申告書を配布し証明書とともに回収し、書類に間違いがないかチェックし誤りがあれば修正させるなど多くの時間とコストをかけています。

手続きをネット化する狙いと仕組み

政府の規制改革推進会議が5月にまとめた第一次答申には、従業員・会社・行政の事務負担軽減を後押しする狙いで、税・社会保険関係事務のIT化・ワンストップ化の一環として年末調整手続きのネット化の推進などが盛り込まれました。それを受けて、政府税制調査会(首相の諮問会議)は10月の会合で年末調整手続きをネット化する方針を確認しました。財務省と国税庁が銀行や保険会社などとすでに協議に入っており、2018年度の税制改正大綱にこの方針を盛り込む予定です。

ただし、実施するためには国税庁や金融機関のシステムの開発が必要で、利用できるのは数年先になる見通しです。

具体的に手続きがどう変わるのかといいますと、現状、従業員は銀行の住宅ローン残高証明書や保険会社の保険料控除証明書を紙で受け取っていますが銀行や保険会社から電子化された証明書を受け取るように変わります。

これらの証明書をもとにして、今は住宅ローンと保険料の控除申告書を手書きしていますが、国税庁が新たに設ける専用サイトを使って金融機関の証明書に記載されたデータを自動的に取り込んで申告書を作成できるようにし、それを会社に送れば作業が完了する仕組みを想定しています。すべてネットで完結するため、かなり負担が減るイメージです。

行政手続は結構手間のかかることが多いですが、ITを活用して効率化を強力に推進し日本全体の生産性を高めていくことが今後ますます重要になってくるでしょう。

(山下 幸子/ファイナンシャルプランナー)

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