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片想い相手の「好みのタイプ」を鵜呑みにして、近づけるように努力した結果……悲劇的な結末

女子SPA! 2024年3月1日 15時45分

こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。

筆者はLINE公式のチャットサービスにて、年間約1000件のペースで恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。

さて、片想い中の彼の「好みの女性のタイプ」が気になって、雑談中にさりげなく恋愛トークに誘導して、なんとか聞き出せたとしましょう。

ですが、その好みのタイプは鵜呑みにしないほうがいいのです。

今回のご相談者である那奈さん(仮名・25歳)は、会社の先輩に片想い中で、彼の好みのタイプを聞き出し、理想の女性に近づこうと努力していたそうなのですが……。

※ご紹介する相談内容はご本人の許可を得て掲載しています。ただし、プライバシー保護のため実際のエピソードから一部変更しています。

◆大好きな先輩の「好みにタイプ」とは?

那奈さんが片想い中の先輩から聞き出したところ、好みのタイプは「黒髪ロング」・「清楚系(ギャルは苦手)」・「おとなしい性格」・「守ってあげたくなる小動物系」とのこと。

「その発言を聞いてから、私は半年かけて髪を伸ばしたり、メイクも坂道系アイドルみたいな感じに変えたり、先輩に好かれる努力を惜しみませんでした。……でも先輩に彼女ができちゃって。しかもショック受けてるの隠しながら、どんな女の人なのか聞いてみたら、全然語っていたタイプと違うんですよ!」

新しくできたその彼女が、先輩の好みとあまりにかけ離れていて、茫然としてしまったんだとか。

◆恋人は語られていた好みとは全然違う女性

「写真見せてもらったんですけど、ショートボブでインナーカラーを金髪にしてる子だったんです。さすがにギャルってほどではないけど、ロングでも清楚でもないんですよ。あと、今は普通に会社員らしいんですけど、大学時代にバイトでキャバ嬢してたらしく、先輩は『ほかの男にも口説かれてそう、浮気されないか心配だ』なんて言っちゃってて」

その彼女が、先輩が公言していた好みどおりのポイントもあったそうなのですが……。

「おとなしい性格で、守ってあげたくなるような女の子っていうのは、たぶん当てはまってるんですよ。ただ、先輩の発言で引っかかったことがあって。彼女さんの仕事の相談を聞いてあげていて、先輩がちょっと厳しめのアドバイスをしたら、ポロポロ泣き出しちゃったらしいんです。そんな彼女を思い出して、『すぐ泣くのは反則だよね、女はこれだからめんどくさい(苦笑)』ってイラついてる感じでした。私、心の中で『いやいや、おとなしくて守ってあげたくなる子が好みじゃなかったんか~い!!』って思わずツッコミ入れちゃいましたよ」

◆ウソを吐いたわけではないが真実でもない

「先輩は、私に好みのタイプを語ったとき、ウソを吐いてたってことでしょうか?」との那奈さんからの質問に対し、筆者は次のように回答しました。

まず、先輩が那奈さんにウソを吐いていた可能性についてですが、わざわざ騙す理由やメリットがないため、おそらくウソを吐いていたわけではないでしょう。ウソではないけれど真実でもない、ということです。

もちろん「黒髪ロング」がタイプだと公言したら、それ以外好きにならないわけではありません。性格や趣味が合えば違う髪型の女性も好きになって当然。タイプというのはあくまで理想ですから、「黒髪ロング」でなくても他の要素で惹かれれば、恋愛対象になってもおかしくはないというわけです。

しかしそうだとしても、彼女は好みどおりの性格に近いはずなのに先輩がウザがっていたというのは、那奈さんからすれば不可解に感じたことでしょう。

その矛盾を解き明かすには、次の真理を知っておく必要があるのです。

≪「自分のことは自分が一番理解している」と思い込んでいても、自己分析が浅く、自分の性質を全然理解できておらず、自分のことをわかっていない人間は案外多い≫

これです。

◆「自分のことは自分が一番わかっている」?

先輩は、自分の好みのタイプだと思い込んでいる女性の性格は勘違いでしかなく、実際に惹かれるのは全然別の性格の女性だという可能性は非常に高いです。

女性の場合でも、たとえば「優しくて包容力がある男が好き」と公言していながら、不誠実なクズ男ばかりを好きになって、毎回傷ついているなんて子も決して少なくありません。

そう、「自分のことは自分が一番わかっている」というのは、ただの思い込みであるということは、実はよくあることなのです。

では、どうすれば気になる相手の“真実の好みのタイプ”がわかるのでしょうか。

それには、過去の恋愛遍歴を洗いざらい聞き出し、歴代恋人がどのような人物像なのかを踏まえて、共通点をピックアップするという方法があります。その際に、別れた理由もできる限りヒアリングしておきたいところ。

歴代恋人の共通点が本当の意味での好みの要素となるのは言わずもがなですが、破局の原因には、“恋人に対する一番のこだわり”=“絶対に曲げられない好み”が隠されているケースもあるからです。

◆過去の恋愛遍歴を根掘り葉掘り聞いてみる

筆者の話を聞いた那奈さんは納得した様子で、「先輩自身は『おとなしくて守ってあげたくなる子が好み』って思い込んでいても、もしかしたら今後『すぐ泣くのがウザくなった』って別れる可能性もある。そうなったら、それは本当の好みじゃなかったってことですよね」と、先輩の内面を推察・分析していました。

いずれにしても、本人が公言している好みのタイプはそのままを鵜呑みにせず、真実の好みのタイプを知りたいのであれば、過去の恋愛遍歴を根掘り葉掘り聞いてみるのがいいということなのです。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。

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