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「早く結婚しなきゃ」休日を潰して男性たちと出会い続けた29歳女性の“失敗”。ある日プツンとキレてしまい…

女子SPA! 2024年3月2日 15時47分

恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。

これまで「変わりたい」「結婚したい」と相談に来られた1000人以上の方々のうち、4割ぐらいが「一度もお付き合い経験がない女性」。そして筆者自身も20代まで、化粧もせず髪もボサボサの“完全なる非モテ”でした。一念発起して自分を変え、皆さんの“もったいないところ”をアドバイスしてきた経験から、恋愛・婚活に役立つリアルな情報をお届けします。

◆「30歳になったらヤバイ」29歳という病

恋愛や結婚の相談を受けていると、30歳間際に漠然とした不安を抱えてしまう独身の方は多いです。ある日相談に来た美沙さん(仮名/サービス業)という女性も、29歳になった時に猛烈に不安になって焦ったそうです。

なにがなんでも結婚したいとまでは思っていなくても、未婚で幸せな生活のロールモデルが身近にいないのです。

若い方が婚活に有利なのは間違いないですし、理想の家族像があるわけではない美沙さん。「今から結婚願望がない男性と出会い、ダラダラ付き合って30代になっては危険」と思って消去法で結婚相談所に登録し、ガチ婚活を始めました。

美沙さんに会ってみたいという申込はたくさん来たそうです。ですがスーツを着ている男性は、どれも同じに見えました。

◆休日を潰して男性たちと会い続けた結果

そんなタイミングで、美沙さんの部署で人事異動がありました。新しい人への引き継ぎがスムーズにできておらず、土日に連絡が来ることもあって当時はストレスが溜まっていたそうです。それでも「30歳になったらもっと申込が減る」と考えると焦ってしまい、無理してでも男性たちと会わなければと思ったのです。

筆者自身も29歳の時には、30代になったらヤバイと思っていました。

就活の時に面接官から「何歳ぐらいで結婚したいですか?」と質問されて、何の根拠もないのですが「28歳」と回答したのです。学生時代は、28歳ぐらいの頃には結婚しているだろうと思っていました。気が付いたら結婚する相手もいないまま28歳が終わり「こんなはずじゃなかった」と猛烈に焦りました。

29歳という年齢は、不安になりやすいのです。過ぎてしまえば「まだ29歳」かもしれないけれど、その時は「もう29歳」と思ってしまいがち。そして焦って視野が狭くなり、根性論の無計画な婚活をしてパンクする女性は多いのです。

美沙さんはどの男性に会うか決めるだけでも疲れ、初めて会う男性とホテルのラウンジでお茶をするのも疲れたそうです。相談所の人から「会わないと分からないから」と言われて会って、薄い会話だけでまた会うかどうか決めるのもまた、消耗します。

◆婚活が“ノルマ”になり……プツンとキレた

美沙さんの職場はたまに土曜出社もある勤務形態で、土日全てがお休みなわけではありませんでした。ですがお相手は土日を希望してきます。土日の公休日には、1日に2~3件お見合いの予定をいれることもありました。土日の公休は全て婚活の予定でつぶれ、友達や妹と遊ぶ日がなくなります。

2回目のデートに進んだ男性からはLINEが届き、返信もしなきゃと焦ったそうです。LINEは疲れるものの、返信の間隔があく男性がいればそれなりに不安になります。

何人かは2回目のデートに進んだものの、予定も詰まって疲れていたため次のデートは2~3週間後に設定していました。間隔もあき、2回目に会っても距離が縮まることもないので、どの男性も決め手に欠けます。並行して他の男性からの申込もあるので、その人たちと会ってみるか断るのかも決めなければなりません。

2回目デートの間隔が3週間後だと、3回目デートは出会ってから2カ月目ぐらいになってしまいます。結婚相談所からは「仮交際期間は3か月だからそろそろどうするか決めましょう」と言われ、さらにしんどくなりました。

疲れて何かがプツンとキレた美沙さん。新たな申込を受けるのをやめ、「今のアポをこなしたら、いったん誰とも会わない日を作ろう」と思いました。もはや彼女にとって、デートはこなす“ノルマ”になっていたのです。

誰とも会わない日を作ったときは、ちょっとの期間お休みするだけの予定でした。でも疲れて誰とも会いたくない気持ちは消えず、結婚相談所を休会します。休会ができる期間には制限があり、相談所から再開を促されましたがもう心が折れてしまって、そのまま結婚相談所を退会したそうです。

◆婚活を休んだまま30代に突入して3年経過

婚活をやめて、30歳の誕生日がきました。Xデーも過ぎてしまえば、29歳と大差のない生活が続きます。

そしてあっという間に33歳になりました。もうすぐアラフォーです。そこでまた焦って、私のところへご相談に来ました。

美沙さんは婚活を休んでいた3年の間に、徐々に自分と向き合えるようになったと言います。

「前は焦ってしまって、男性ウケするように家事力とかを盛り込んだプロフィールにしてました。生活しているから家事はやるけれども、私に家事を期待する男性と結婚したいわけじゃないです。

京大卒の公認会計士の方と仮交際したときは、条件がいいし『逃さない方がいいかもしれない』と思ってました。でも別にハイスぺと結婚したいわけでもないんですよね。ただ、独身も満喫したし、家族がいる生活はしたい」

美沙さんに過去の婚活を振り返ってもらって、何が辛かったのかを整理してもらいました。土日の両方が婚活でつぶれることと、男性から毎日LINEが来ること、急な予定変更に対応することが辛かったそうです。

結婚したらやってみたいことは、家で鍋パーティーをすることと、夫婦での晩酌だそうです。

◆万人ウケを目指さず、自分に向いている方法で

結婚相談所は会う前にメッセージのやり取りができないし、初回はアルコール禁止といったルールがあります。このルールが向いている人もいますが、シフト休みでお酒が好きな美沙さんには自由度が低く不向きでした。

そこで、マッチングアプリのwith(ウィズ)に居酒屋で撮った写真を使って登録しました。あっという間に200件以上の「いいね」が付きます。

withの良いところは、メッセージの頻度やテンポ・文量などの希望や、恋愛の細かな価値観もプロフィールに記載でき、価値観が合う人を探しやすい設計になっている点です。

プロフィールには休みがシフト制であること、出やすいのは赤羽駅であることも盛り込んで、サブ写真には鍋や缶ビールの写真も載せ、土日だけでなく仕事帰りにもデートの予定を入れやすくなりました。

「29歳の時の方が、いい男性に会える確率は高かったかもしれません。でも33歳の今の方が冷静になれて、結婚しないとヤバイというより、家族がいるのもいいかもぐらいに思えるようになったんです」

美沙さんの婚活再スタートを応援したいと思います。やっと自分と向き合えたタイミングが今なら、それが美沙さんにとっての適齢期なのではないでしょうか。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

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