トヨタの本格SUV「ランドクルーザー(200系)」は、2007年に登場してから13年が経過しています。モデル末期となる200系の販売動向はどうなっているのでしょうか。
■モデル末期を迎える「ランドクルーザー200系」の販売状況はいかに!
数々のSUVを展開するトヨタのなかで、最強クラスとして君臨しているのがトヨタ「ランドクルーザー」です。
初代ランドクルーザーが誕生したのは、いまから約60年以上前の1954年。同じ車名で継続生産される国産車のなかでは、最長を誇るモデルですが、その後8回におよぶモデルチェンジを遂げて、現行モデルとなる200系が2007年に登場しました。
現行モデルは、2007年の登場以来13年もの月日が経過するなか、いまもなお根強い人気を誇ります。
人気が続く要因としては、2015年におこなわれたフェイスリフトを含むビッグマイナーチェンジです。これにより、国内外で確実に販売台数を伸ばしていきました。
しかし、長年のライバルとされるランドローバー「レンジローバー」が2018年にマイナーチェンジを遂げ、2リッター直列4気筒ターボエンジンとモーターを組み合わせたユニットを搭載するPHEVをリリースするなど、先進的な環境性能のアピールを果たしました。
トヨタ販売店スタッフによれば、こうしたライバル車に立ち向かうため、2021年にランドクルーザーのフルモデルチェンジがおこなわれるのではないかと噂されているといます。
13年目の200系はモデル末期を迎えるため、次期モデルの発表に備えて販売台数が低迷する可能性も考えられます。
しかし、自動車販売協会連合会の2020年上半期の売上台数によると、1万501台を販売している状況ですが、この台数はランドクルーザーと弟分の「ランドクルーザープラド」を合算したものです。
トヨタによると、直近の販売比率は、ランドクルーザー1割、ランドクルーザープラド9割だといいます。
現在の販売状況について、都内のトヨタ販売店は次のように話します。
「ランクルとプラドではどこの店舗でもプラドの人気が高いです。価格帯やボディサイズなどによってプラドが支持されています。
そのなかで、ランクル200系を購入される人のなかには、現行モデルのデザインが好きだという人が多くいます。
新型モデルが登場すれば、デザインや内装、ボディカラーなどが変化してしまうため、現行型の在庫があるうちに手に入れたいという需要です。
また、ランクルは非常に壊れくいクルマとして、国内だけでなく海外でも人気が高いため、リセールバリューが良く、それはモデルチェンジ後でも同様です。
新型モデルに関して一切情報はありませんが、長いランクルの歴史や世界中にファンがいることを考えると、どのようなデザインになったとしても新型モデルも堅調な販売が期待出来ると思います」
■直近の販売動向はいかに!人気グレード・オプションを徹底調査
モデル末期となりつつも一定数の販売台数を誇るランドクルーザーですが、直近の販売動向はどうなっているのでしょうか。
人気グレードやオプションについて、トヨタ販売店は以下のように話します。
「ランクル200系のなかでも、とくに販売台数を誇っているのが上級グレードの『ZX』です。車両価格だけで約700万円のモデルですが、標準装備としてある程度揃っていることから、ランクルを選ばれる人の多くが最初に検討されます。
また、比較車両としてあげられるランドローバーの場合、ZX同様の装備を求めると車両価格だけで1000万近くします。したがって、ZXグレードは比較車両よりも安価に入手できることから選ばれているのも大きな理由です。
あとは、リセールバリューが大きいという点でしょう。海外でもZXグレードは需要が高いため、手放す際の下取り価格も高くなります。
オプションについては、ナビゲーションを検討される人が非常に多いです。こちらは、後席にもディスプレイを設置することができるため人気のオプションです。ただし、後席ディスプレイはZXグレードのみ対応となります。
そのほか、外装系のドレスアップとして、フロントバンパースポイラーやリアバンパースポイラーの需要が高いです」
ZXグレードは、シートに本革を使用しており、フロントシート・セカンドシートの左右席にはシートヒーターも完備されています。
また、サンルーフは標準装備となり、20インチの大型ホイールを採用するなど、上級モデルにふさわしいデザインに仕上げられています。
一方、中間グレードの「AX」はサンルーフがオプションとなり、シートはモケット(パイル素材)を使用、ホイールサイズも18インチとやや小さめです。こうした標準装備の差が、ZXグレードに注目を集める大きな要因となりました。