2020年7月の販売台数ランキングで16位にランクインしているホンダ「ステップワゴン」。ライバル車と比べると勢いがないものの、未だ一定の根強い支持を得ているようです。ステップワゴンの魅力とは、どのような部分なのでしょうか。
■ステップワゴンのライバル車にはない魅力とは?
人気のカテゴリーのひとつであるミニバン。なかでも、日産「セレナ」、トヨタの「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」、ホンダ「ステップワゴン」は5ナンバーサイズに収まるミニバンとして人気を集める車種です。
日本自動車販売協会連合会が発表する販売台数ランキングでも、2020年上半期はこれら5車種が25位以内までにすべてランクイン。
直近の7月ではエスクァイアが29位に順位を落とすものの、その他4車種は上位をキープしていることからもその人気がうかがえます。
そのなかでも、販売台数が伸びないといわれているのがステップワゴンです。1996年に初代が登場し、現行モデルの5代目は2015年に登場。
フルモデルチェンジ後の2016年でも大きく販売台数を伸ばすことができず、5車種のなかでは4位。直近の7月のランキングでもセレナの7位、ヴォクシーの11位、ノアの15位に続いてステップワゴンは16位となり、ライバル車のなかでは4位のままです。
確かにライバル車と比べると勢いがないステップワゴンですが、とはいえ、6月のランキングではノアを抜いて全体で15位、7月も全体で16位にランクインしており、一定の根強い支持を得ているのも確かです。
では、ステップワゴンは一体何が人気なのでしょうか。ホンダ販売店スタッフは、最近の販売状況や人気の理由について次のように話します。
「ステップワゴンを選ぶお客様は、使い勝手がいいクルマが欲しいという人が多いです。とくにステップワゴンの特徴でもあるわくわくゲートは使い勝手がよく、非搭載モデルが用意されていても、多くの人が搭載モデルを選択されています」
ステップワゴンに搭載されている「わくわくゲート」は、競合車にはない独自の装備です。バックドアを縦方向に跳ね上げるだけでなく横方向にも開けることが可能で、後方にスペースがない場所でも開閉しやすく、サードシートの乗り降りできる便利な装備となっています。
非搭載モデルがあるにも関わらず、搭載モデルが選ばれていることからもユーザーからの支持があることが分かります。
ステップワゴンといえば「わくわくゲート」というイメージ通り、この装備はライバル車にはないステップワゴンの魅力のひとつといえるでしょう。
ほかにも、ステップワゴンはサードシートの格納方法がライバル車とは異なります。ステップワゴンのサードシートは床下に格納するため、格納後はサードシートが飛び出すこともなく床がフラットになり、ラゲッジスペースが使いやすくなっています。このような構造の違いも、ステップワゴンの使い勝手の良さとして支持されています。
■次期型ステップワゴンは…まだ先か
ステップワゴンは、ライバル車にはない魅力で支持を得ているステップワゴンですが、販売面で遅れをとっていることは否めません。
そろそろ勢いを取り戻すチャンスがほしいところです。現行モデルの発売からも5年経つので、次の新型の登場も期待したいところですが、今後何か動きはあるのでしょうか。
ステップワゴンの今後の動向について、ホンダの販売店スタッフは次のように話します。
「今のところ大きな動きがあるとは聞いていません。2017年にハイブリッド車が出たばかりなので、フルモデルチェンジがおこなわれるのも、あと1、2年以上は先になるのではないでしょうか。
トヨタの競合車のほうが発売年数的には古いので、もしかしたら先に競合車のほうに動きがある可能性も考えられると思います」
※ ※ ※
売れ行きに勢いがないといわれながらも、ライバル車にはない独自の装備やメリットで、ニーズに合ったユーザーからは未だに一定の支持を得ているステップワゴン。
この先ミニバン人気の波に乗り、大きく販売台数を伸ばすことはできるのでしょうか。ライバルの存在も含め、今後の動向に注目したいところです。