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5ナンバーサイズの「小型ミニバン」なぜ異様に売れる? トヨタ「シエンタ」&ホンダ「フリード」が絶大な支持を集める理由

くるまのニュース / 2024年5月17日 10時10分

コンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」は、販売ランキングで常に上位に食い込んでいます。フリードは間もなく全面刷新する予定ですが、モデル末期でもなぜ人気だったのでしょうか。

■モデル末期の「フリード」が売れまくり!?

 ホンダは2024年5月9日、新型「フリード」の内外装のデザインを初公開し、翌10日に販売店で予約受注を開始しました。発売は2024年6月を予定しています。
 
 一方で、現行型のフリード(2代目)は、フルモデルチェンジを控えたモデル末期だったのもかかわらず、2024年3月の小型/普通車の車名別登録台数ランキングで5位に入っています。

 同ランキングでは、1位がトヨタ「カローラシリーズ」、2位がトヨタ「ヤリスシリーズ」、3位が日産「ノート/ノートオーラ」、4位がトヨタ「プリウス」となっており、その次がフリードでした。

 現行フリードは2016年に登場した8年前のモデルながら、2022年8月に登場したライバル車のトヨタ「シエンタ」を抜いたのです。

 一方で2024年4月のランキングを見ると、さすがにフリードは順位を下げ、シエンタが急浮上。前年同月に比べて登録台数を12%増やし、小型/普通車登録台数では、1位のヤリスシリーズと2位のカローラシリーズに続いて3位に入りました。

 シエンタはフリードに比べて設計が新しいですが、発売から2年近くを経過しており、それにもかかわらず前年同月によりも登録台数を10%以上増やしたことは注目されます。

 フリードとシエンタは、ともにコンパクトミニバンです。このカテゴリーの販売動向が注目される理由は何でしょうか。

 まずフリードの登録台数ですが、2023年の1か月平均は6464台で、国内で売られるホンダ車としては、国内販売ナンバーワンの「N-BOX」に次ぐ2位でした。2023年には、N-BOXとフリードだけで、国内で売られたホンダ車の52%に達しています。

 この背景にはN-BOXの大ヒットがあります。2017年に発売された先代N-BOX(2代目)が好調に売られ、近年では国内で売られるホンダ車の40%近くを占めています。

 この影響でホンダのブランドイメージが「小さくて背の高い実用車のメーカー」に変わり、そこにピッタリ合った商品として、フリードがモデル末期ながら好調に売られているのです。

 商品力を客観的に判断すれば、フリードよりも設計の新しい「フィット」や「ステップワゴン」、「ヴェゼル」などが魅力的ですが、ブランドイメージの効果で2023年のホンダの国内販売は1位がN-BOXで2位がフリードでした。

 フリードの人気について、ホンダの販売店は以下のように述べています。

「フリードは、現行モデルもコンパクトなボディながら居住性や積載性が優れ、人気の高い商品でした。ステップワゴンからフリードに乗り替えるお客様も多かったです。

 そのためにフリードは、2024年3月頃までは売れ行きを下げず、現行モデルの在庫車もお客様に好条件を提示して確実に売り切りました」

 つまり2024年3月に、フリードが小型/普通車の車名別登録台数ランキングで5位に入った背景には、現行モデルの色褪せない魅力と在庫車の好条件の提示による大量販売があったのです。

 また販売店からは、前述の通り、ステップワゴンからフリードに乗り替えるユーザーが増えているという事情も聞かれました。

「今のステップワゴンは、標準ボディの『エアー』でも全長は4800mmで、全幅も1750mmとワイドです。価格は最も安価な1.5リッターターボのエアーでも300万円を超えます。

 エアロパーツを装着してハイブリッドのe:HEVを搭載した『スパーダ』は約370万円に達します」

 高めの価格設定とした結果、今のステップワゴンは購入しにくく、設計が古くてもコンパクトで安価なフリードが求められるようになったというわけです。

 現行モデルのフリードは5ナンバー車で、最も安価な「1.5G」の価格は233万900円に収まります。

 ちなみに新型フリードは安全装備の充実などによって価格が上がるとされており、最も安価なモデルでも250万円前後になりそうです。

 とはいえ、ステップワゴンのエアーに比べると50万円以上安く、新型フリードも堅調に販売されるでしょう。

 なお、新型フリードのアウトドアグレード「クロスター」は、全長は4300mmを超えて、全幅を1720mmに拡大。同車初の3ナンバーサイズとなりました。

■「シエンタ」が幅広い層にウケているワケとは?

 シエンタも事情は似ています。現行シエンタは2022年8月に発売され、2023年は小型/普通車の車名別登録台数ランキングで、1位のヤリスシリーズ、2位のカローラシリーズに次いで3位に入りました。

 しかもヤリスやカローラは“シリーズ”の登録台数を合計した数字となっており、単一車種ではシエンタが小型/普通車の実質的な1位だといえるでしょう。

 シエンタは2024年に入っても売れ行きをあまり落とさず、今に至っています。

 販売店でシエンタの人気について聞いてみました。

「シエンタの人気は根強いです。ミニバンは背が高いため、外観を見たり運転すると、全長や全幅の割にボディが大きく感じます。

 そのためにミニバンに不慣れで、『ノア』などのミドルサイズミニバンの運転に不安を感じるお客様は、コンパクトなシエンタを選ばれます。

 また2人目の子どもが生まれ、ヤリスなどのコンパクトカーでは車内が狭くなり、シエンタに乗り替える人もいます。

『ルーミー』もスライドドアを備えていますが、ハイブリッドや3列シートが必要な場合はシエンタが選ばれています」

トヨタ「シエンタ」トヨタ「シエンタ」

 このほか中高年齢層の夫婦に孫ができて、自宅へ遊びに来た時のためにシエンタを買うこともあります。子どもの家族が新幹線や飛行機で帰省し、近所に出かける時に3列シートのシエンタを使うのです。

 ノアや兄弟車「ヴォクシー」からの乗り替えもありますが、シエンタはもっと幅広い用途で選ばれているそうです。

 現行シエンタの開発者は「全長の4260mm、全幅の1695mmは守らねばなりません」といっており、ボディサイズにこだわったことが伺えます。そして、シエンタのユーザーはちょうど良いサイズに魅力を感じ、人気を得ています。

※ ※ ※

 シエンタとモデルのフリードは、運転しやすいサイズや、その割に広くて使いやすい室内、求めやすい価格により、息の長い人気を得てきました。

 見方を変えると、この2車種の好調な売れ行きは、今のノア&ヴォクシーやステップワゴンが3ナンバー専用車になり、高額化したことに対するユーザーの不満の裏返しともいえるでしょう。

 予算の範囲内で使いやすいミニバンを探すと、必然的にシエンタやフリードに行き着くのです。

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