高い人気を誇るトヨタ「ライズ」。登場後約1年経ったなかでも登録販売台数で上位を維持するなど人気モデルの仲間入りを果たしています。では、実際のオーナーからの反響はどうなっているのでしょうか。
■ライズは価格も使いやすさも燃費も「ちょうどいいSUV」
トヨタのコンパクトSUV「ライズ」は、SUVジャンルだけにとどまらず、新車市場でも圧倒的人気を獲得しています。では、実際に乗っているオーナーからはどんな評価を得ているのでしょうか。
ライズは、ダイハツが企画・製造したコンパクトSUVで、兄弟車であるダイハツ「ロッキー」のOEM車として、2019年11月に登場しました。
日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した普通車の新車販売台数ランキングによると、登場月である2019年11月からいきなり4位にランクインします。
その後、12月は2位に、2020年の1月と2月には1位となったほか、2020年上半期(1月から6月)でも1位を記録しました。
直近の月間ランキングでも2位から3位を安定的に維持しており、SUVジャンルではもっとも売れているモデルです。
外観デザインは、5ナンバー車ながら迫力のある堂々としたシルエットと存在感を実現し、SUVらしいアクティブなデザインを採用しました。
ボディサイズは、全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmとSUVジャンルで最小の部類に入りますが、日本の道路事情においてはそのサイズが「ちょうどいい」と好評です。
シャシはトヨタが開発した次世代プラットフォーム「TNGA」を基礎とした「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」技術が採用され、小さいボディからは想像できないほど室内空間が広く設計されています。
とくに、収納能力の高さが目立ち、クラストップの369リッターの荷室容量を確保。荷室下にも80リッターの収納スペースが確保されたりと、多くの荷物が積めるようになっています。
さらに、ダイハツの予防安全装備「スマートアシスト」が「X“S”グレード」以上から標準装備され、衝突回避支援ブレーキや誤発進抑制機能などが装備されています。
パワートレインは、1リッターターボエンジンのみを設定。環境に配慮した小さい排気量の分、ターボでしっかりサポートしているため加速はかなりスムーズで、小排気量で低燃費にも貢献しています。
WLTCモード燃費は、2WDが18.6km/L、4WDが17.4km/Lと、コンパクトクロスオーバーのなかではトップクラスです。
グレードは「X」「X”S”」「G」「Z」の4種類に分けられ、各グレードで2WDと4WDから選ぶことができます。
価格は、エントリーグレードの「X(2WD)」が167万9000円、最上級グレードの「Z(4WD)」が228万2200円です。
最上級グレードとなると200万円を超える価格ですが、内装がかなり上質な仕上がりになっていたり、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」が標準装備されるなど充実した装備内容となります。
発売から1年しか経過していないため、中古車の価格相場は145万円からと、新車とほとんど変わりません。
しかし、その分走行距離が3万キロ以内で程度が優れている個体が多いため、少しでもライズを安く購入したいと考えているのであれば、中古車でもお得なモデルといえます。
■実際ライズに乗っている人はどこが良くてどこがダメ?
では、ライズに乗っているオーナーは、どのような評価をしているのでしょうか。最初に外観デザインの評価が大きく目立ちます。
「折り目が多くてガンダムっぽい」「ゴチャゴチャしている感じをもう少し抑えられたら良いかも」など、最近のトヨタ車のデザインを受け入れている人と、反対に違和感を覚える人の両方が存在している印象です。
内装デザインは、「プラスチック感が目立つ」「ハンドルがざらついた印象を受ける」など、質感に関して指摘する人の意見も多数存在します。
これは、「X」や「X”S”」などのエントリーグレードは内装で価格を抑えているからとも考えられます。
しかし、反対にゴツゴツした内装が、「スポーティに見える」「かっこいいデザイン」といっている人もいますので、トヨタはあえてこのような内装にしているのかもしれません。
自慢の収納に関しては「ラゲッジスペースも十分で配置もよく考えられている」と高評価の声が多いようです。
乗り心地に関しては、「アイドリング時に多少振動がある」などの声が目立ちます。
ボディ剛性が高く、サスペンションも堅めに設定されているため、車高が高いSUVにありがちな「ヨレる感じ」はありませんが、その分ほかのコンパクトカーが持つ乗り心地の良さには及ばないのかもしれません。
一方で「パワフルなエンジンでよく回る」「アクセルを踏んだ2倍くらい反応する感じ」など、エンジンのレスポンスの良さは高評価。
むしろ「踏みこむとエンジンが唸りすぐ加速しようとするからアクセルワークが難しい」との意見もあるほどです。
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ライズを実際に所有しているオーナーの声を見てみると、細かな指摘はあるものの、SUVらしいフォルムや走行性能の良さや、コンパクトカー並の低価格が高評価でした。
5ナンバーサイズで運転しやすく、これまでなかった万人受けするSUVとも捉えることができますので、今後もライズがSUVのトップに君臨し続けるのはほぼ間違いないでしょう。