日産が欧州で発表した新型「キャシュカイ」は、日産が開発した可変圧縮比エンジン「VCターボ」が組み合わされた「e-POWER」の搭載が予定されるなど話題となっていますが、ひとまわり小さい同社の「キックス」とはどんな違いがあるのでしょうか。
■V字型のヘッドライトが特徴的な新型キャシュカイ
日産が2021年2月18日に欧州で発表した新型「キャシュカイ」は、3代目モデルとして同年夏に欧州市場へ投入されることが予定されているSUVです。
いちはやく新型キャシュカイのオーナーになる人に向けた特別仕様車「プレミアエディション」も設定され、2月から3月にかけて欧州の各市場で価格が発表されました。
一方、日本にはキャシュカイよりひと回り小さいSUVとして2020年6月30日に発売された「キックス」があります。両車にはどのような違いがあるのか、内外装やスペックを比べていきます。
新型キャシュカイのボディサイズは全長4425mm×全幅1838mm×全高1635mm。
一方、キックスのボディサイズは全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mmで、新型キャシュカイの方が全長が135mm長いなどの違いがあります。
新型キャシュカイとキックスのフロントフェイスを見比べると、日産共通のフロントデザイン「Vモーショングリル」が取り入れられている点は共通しているものの、受ける印象は異なります。
新型キャシュカイのフロントフェイスは、細く鋭いV字型のヘッドライトが特徴。大胆で張りのあるラインが与えられ、都会的な雰囲気とSUVらしさを融合しています。
テールランプは点灯時に立体感の出るデザインとしました。
キックスのフロントフェイスは、キャシュカイよりも大型の「ダブルVモーショングリル」が採用されています。前後フェンダーの張り出しも目立つデザインで、SUVらしい力強さが感じられる外観といえるでしょう。
新型キャシュカイの内装は、10.8インチのヘッドアップディスプレイや12.3インチのマルチインフォメーションスクリーン、9インチのNissanConnectディスプレイなど、数々の先進的な装備を搭載。
マルチインフォメーションスクリーンの背景には、日本の切り子ガラスをモチーフにしたデザインが採用されています。
一方、キックスの内装にはヘッドアップディスプレイの設定がないなど、新型キャシュカイと違いがありますが、「X ツートーンインテリアエディション」ではオレンジ×ブラックのインテリアになるなど、元気で若々しい印象の内装が設定される点が特徴といえそうです。
■両車に搭載されるプロパイロットの違いとは?
搭載されるパワートレインをみると、新型キャシュカイは新開発12Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた1.3リッター直噴ターボエンジンを採用。トランスミッションはCVTか6速MTです。
また追加設定というかたちではあるものの、日産の電動パワートレイン「e-POWER」も欧州初採用される予定です。
e-POWERは日産のシリーズ式ハイブリッドシステムの名称で、エンジンが発電した電気でモーターを駆動させることで走行します。
新型キャシュカイに搭載されるe-POWERには、日産が世界で初めて開発した可変圧縮比エンジン「VCターボ」が組み込まれるという、初めての組み合わせです。これにより、高出力が求められる欧州市場にも対応しました。
一方、日本仕様のキックスに搭載されるパワートレインは全車e-POWER。1.2リッターエンジンが発電を担い、モーター走行します。
アクセルペダルを戻すだけで強い減速力を発生させる、電動パワートレインならではの「e-POWERドライブ」も搭載され、運転の新たな楽しみを体験することが可能です。
最後に搭載される先進運転支援システムを見ると、新型キャシュカイは「プロパイロット(ナビリンク機能付)」を採用。
日本で販売される日産車として「ノート」に搭載された実績のあるこの装備は、高速道路での同一車線内での走行をサポートするほか、ナビゲーションデータを用いることで急カーブや高速道路の出口などで車速を自動調整。
長距離ドライブにおけるドライバーの負担を軽減します。
一方、キックスに搭載されるプロパイロットはナビリンク機能が搭載されていない従来型のものです。
なお、キャシュカイはCVT車ではプロパイロット(ナビリンク機能付)の設定があり6速MT車にはないという違いがあるものの、日本仕様のキックスは全車プロパイロットが搭載される仕様です。
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SUV人気が高まっている昨今、トヨタはコンパクトSUVからミドルサイズSUVの間だけでもライズ(全長3995mm)、ヤリスクロス(全長4180mm)、C-HR(全長4385-4390mm)、RAV4(全長4600-4610mm)、ハリアー(全長4740mm)とさまざまなセグメントのSUVを展開しています。
もし新型キャシュカイ(全長4425mm)が日本市場にも投入されたら、日産の国内ラインナップのなかでキックス(全長4290mm)と「エクストレイル」(全長4690mm)の間を埋めるモデルとして注目されるかもしれません。