世界的な原油価格高騰やウクライナでの戦争など、緊迫する世界情勢に端を発したガソリン価格の高騰。直近では小康状態が続いていますが、2022年4月18日時点でのレギュラーガソリン店頭現金価格は全国平均で1リッターあたり173.5円と、高止まりとなっています。少しでも安くガソリンを入れるにはどのようにすればいいのでしょうか。
■ガソリンスタンドそれぞれがおこなっている会員制度に注目
2022年4月19日、自民党、公明党、国民民主党の検討チームが原油価格の高騰対策を巡り会談をおこない、ガソリン税の上乗せ部分の課税を停止する「トリガー条項」の凍結については先送りとし、石油元売り会社への補助金による価格抑制策を継続することで合意しました。
こうしたなか、いったんは92ドル台まで下落したニューヨーク市場の原油価格(WTI先物価格)は再び上昇。さらに為替相場も1ドル128円へと円安が進行したことで、ガソリン価格の先高感が強くなってきています。
この高騰するガソリン価格に対し、「どうすれば安く入れることができるか」と頭を悩ませている人も多いでしょう。
もっともわかりやすいのは、石油元売り各社が発行するクレジットカードを使い、給油することです。
こうしたクレジットカードは、それぞれの元売り系ガソリンスタンドを利用することで、ガソリン代の値引きやポイント還元が受けられます。ただすでに特定のクレジットカードに決済を集中し、ポイントやマイルを貯めている人、また逆にクレジットカードを使いたくないという人にとっては、選びにくい方法です。
そうした人におすすめなのが、ガソリンスタンドそれぞれが、顧客の囲い込みのために用意している各種優遇施策の利用です。
多くのガソリンスタンドでは、そうした優遇施策として、会員制度を用意しています。
会員になり、給油の際に会員カードを提示したり、セルフ式給油機のリーダーに読み込ませたりすることで、ガソリンが一般価格よりリッターあたり1円から2円安い会員価格となるのが一般的な仕組みです。さらに給油額に応じてポイントが貯まり、そのポイントをキャッシュバックすることで、実質的な追加値引きが受けられる制度を加えたガソリンスタンドもあります。
こうした「いつでも会員価格」という方式のほか、特定日にだけ大幅な値引きを用意し、その告知をメールでおこなうガソリンスタンドもあります。
たとえば都内のある店舗は、特定日を週末を中心に月に複数回設定し、会員向けにリッターあたり3円から5円の値引き販売をおこなっています。月に100リッター入れる利用者であれば、特定日の5円引きの利用で、月500円が浮く計算です。
■全国で一番ガソリンが高い都道府県は鹿児島県
またガソリンスタンドの運営会社が独自に発行しているプリペイドカードも、ガソリン代節約のカギになります。
ガソリン以外のプリペイドカードでは、たとえば販売価格1万円のカードで利用可能金額は1万500円になるなど「プレミアム」を付ける方式が一般的ですが、ガソリンスタンドが発行するプリペイドカードは、販売価格やチャージ額に応じガソリン単価を値引く方式が多く見られます。
具体例を挙げると、販売価格3万円のカードなら現金価格よりリッターあたり3円引き、2万円なら同2円引き、1万円なら同1円引きというもの。または3万円新規にチャージすると、その額面分は同3円引きになるというもので、現金に比べ、その値引き分が節約できることになります。
ただ、プリペイドカードの利用には注意点もあります。
まず、継続利用がない場合に、プリペイドカードの残高が消滅する制度を採り入れているガソリンスタンドがあり、短いところではその期間が半年というところもあります。プリペイドカードの購入は、継続して使うことが確定しているガソリンスタンドのみと考えるべきでしょう。
また最大限の値引きを受けるための「販売価格3万円のカード購入」「3万円の新規チャージ」は、給油しなければその現金がずっと“寝ている”ことになります。ガソリン代を浮かせるために生活がキツキツになるようであれば、本末転倒です。
なおこうした会員制度やプリペイドカードについて、店頭で積極的にPRしているガソリンスタンドもあれば、そうでないところもあり、店頭に一般向けの販売価格のみ表示しているガソリンスタンド同士の比較では、会員になった場合のメリットがわかりません。
フルサービスのガソリンスタンドであれば店舗内、セルフであれば給油機周辺に会員制度やプリペイドカード販売の案内チラシがあれば確認し、不明な点があればスタッフに問い合わせましょう。
たとえガソリンの値引きがわずかでも、長い目で見ればそれがまるまる浮くことになります。クルマにかかるコスト節約のためには、こうした施策はぜひ利用すべきでしょう。