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社外品パーツで愛車をカスタム! 外した純正パーツは処分して良い? 取っておくべきパーツは何?

くるまのニュース 2022年5月15日 16時10分

アクセサリー類やマフラー、ホイールなどを社外品に交換したとき、手元に残る純正パーツの扱いに困ることがあります。処分すべきか手元に残すべきか、取り外した純正パーツの扱い方についてプロに聞いてみました。

■交換した社外品パーツが車検に適合するなら売却してもOK?

 愛車を自分好みに仕上げたいと考えたとき、アクセサリー類やマフラー、ホイールなどを社外品に交換する「カスタム」をおこないます。

 社外品のパーツを装着したとき、取り外した純正パーツをどうするかという問題が発生します。

 保管できれば良いのですが、パーツによっては大きなものも存在し、また住環境によってはスペースがないなど、保管が難しいケースもあるでしょう。

 最近では、ネットオークションなどで販売してしまうという方法もありますが、外した純正パーツは廃棄したり売却してしまって良いものなのでしょうか。

 カスタムにもいろいろありますが、初心者にとってはどこから手をつけるのがいいのか難しいところ。

 また保安基準(正式には「道路運送車両の保安基準」)に適合しないカスタムをした状態では車検に通らないばかりか、取り締まりの対象になることもあります。

 つまり、定められた保安基準というルールのなかで自分らしい1台に仕上げるためにも、まずはどこまでしていいのかを把握しておく必要があります。

 車検整備や代行、カスタムなどを手掛ける神奈川県のH整備士に、初心者が手始めにおこなうカスタムについてや、その際に取り外した純正部品のなかで、何を手元に残しておくべきなのかを聞いてみました。

「初めてのカスタムとしては、タイヤ&ホイールの換装がおすすめです。適合サイズであれば問題なく車検に通りますし、アルミホイールを違うデザインにしたりブラックなどカラードタイプに交換するだけでもクルマの印象がかなり変わります。

 そのときはタイヤもリプレイスに交換することが多いと思うのですが、純正で装着されているタイヤより性能の良いタイヤに履き替えれば、走りもさらにグレードアップできます」

 この場合、純正ホイール&タイヤが手元に残るわけですが、これは残しておくべきなのでしょうか。かなり場所を取るパーツだけに判断が難しいところです。

「換装したホイール&タイヤが車検に適合するサイズであれば、手放すのも良いと思います。もしくは、スタッドレスタイヤを装着するためにホイールは手元に残しておくのも良いでしょう。

 ただしネットオークションでは中古タイヤは需要がないので、それならホイールとセットで売却してしまうほうが良いかもしれません」(H整備士)

 次に手をつけやすいのが、ヘッドライトバルブ(バーナー)交換です。最近は純正でもLEDライトを装着するモデルが増えていますが、そうでない場合は明るいバルブに交換したくなります。

「バルブ(バーナー)の交換はすぐに違いが実感できますし、明るくなることで夜間走行などがかなり楽になる実用的なカスタムといえます。

 DIYでもできますが、最近はヘッドライトユニットを取り外す必要がある車種もあるので、バルブ交換はプロに頼んだほうが確実でしょう」(H整備士)

 ちなみに、DIYでヘッドライトユニットを取り外すと車載コンピュータに「エラーコード」が出てしまう車種があり、その場合は正規ディーラーなどが所有する専用ソフトを用いて「キャリブレーション(エラーコードを初期化して削除すること)」が必要になります。

「ハロゲンからLEDに交換した場合でも、純正バルブは手元に残しておくべき部品です。

 というのも、ヘッドライトユニット内側の『リフレクター』と呼ばれる反射板が、ハロゲン用とLED用では形状が違うため車検に通らないケースが多発しています。

 そうなると車検前にハロゲンバルブに戻す必要があり、取っておいたほうが良いでしょう」(H整備士)

 同じように、ウインカーなどを光が流れるように点灯する「シーケンシャル」タイプにユニット交換するカスタムも人気がありますが、こちらも車検時にNGとなるケースも多いそうです。

 ちょっと嵩張りますが、ウインカーのユニットも保管しておいたほうが良さそうです。

■パーツの在庫は意外に早くなくなる! 細かい保安部品こそ保存すべし

 クルマのパーツには「保安部品」というものがあり、これは公道を走行する上で安全を確保するため法令で義務付けられた部品のことをいいます。

 そのなかで「走る・曲がる・止まる」など、基本的な動きを担い、故障すると走行に支障をきたすものが「重要保安部品」です。

トヨタ「86」のノーマルマフラー(上)と社外品のマフラー(下)

 一般的な保安部品とは、ブレーキ、スピードメーターなどの計器類、ホーン(警音器)、ミラー関係、ヘッドライトやウインカー、テールランプなどのライト類が代表的なものです。

「車種ごとの保安部品は、製造終了後5年から10年足らずで生産終了してしまう場合が多いんです。

 とくにウインカーカバーなどのプラスチックの保安部品は劣化もしやすく破損もしやすいパーツですが、いざ探すと在庫が欠品のため修復が難しくなることも多々あります。

 細かい純正の保安部品こそ、じつは大事に保管しておきたいパーツです」(H整備士)

 H整備士いわく、保安部品は車種によって微妙に形状やサイズが違うため、古いクルマのレストアで探すのに苦労するそうです。

「最近人気のネオクラシックなどは、保安部品が残っている車種でないと十分なレストアができず、パーツ探しで苦労することになります。

 そういった事態を考慮して、入手できる保安部品一式を事前に購入されるお客さまもいるくらいです」(H整備士)

 またカスタムした愛車でも、いずれは手放すときがくるはず。下取り査定では、往々にしてカスタムした車両はプラス査定されません。

 これは純正パーツを交換した理由がカスタムなのか、それとも故障や事故などで修繕した結果なのかが判断しにくいからとわれています。

 それが、「純正パーツもあります」となると純正に戻せると評価され、マイナス査定を回避できることもあるのです。

「誰がどのタイミングでどんなカスタムをしたのかが分からない状態が、もっとも評価しづらいものです。

 クルマを手放すときは、社外パーツを装着したままではなく、純正パーツに戻してからのほうが査定額が良くなるという話も聞きます。

 純正パーツに戻したあと、手元に残った社外品パーツをネットオークションなどで売却したほうが良い値がつくと思います」(H整備士)

 さらにH整備士は、重要保安部品にもなっているブレーキパッドなどを社外品に交換した場合は、純正パーツは取っておいてほしいといいます。

 そう考えると、カスタムするときは重要保安部品に影響しない程度でおこなうのが望ましいのかもしれません。

「社外品マフラーへの交換も定番のカスタムですが、近年は騒音規制が厳しくなっています。

 社外品は劣化すると音量が大きくなって車検に通らないこともあるので、取り外した純正マフラーは保管するのにスペースが必要になりますが、手元に残しておきたいところです」(H整備士)

 保安部品だけでなく、それ以外では内装系パーツは意外にも製造廃止になりやすいようです。

 旧車好きなどはオリジナルの状態にこだわる傾向もありますので、できる限り純正パーツは保管しておいたほうが都合が良さそうです。

※ ※ ※

 カスタムしていく上で取り外した純正パーツは、やはり保管しておくのが安全ではあります。

 とくに細かいパーツほど、いざ純正パーツに戻そうとしたときに流通していなかったりするものです。

 むしろ大きいパーツは手放して細かいパーツは保管しておき、下取りに出す前に純正パーツに戻して社外品パーツを個別に売却するのが、賢い方法だといえそうです。

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