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新型ミニバンは「車酔い」対策にホンキ!? 「セレナ」「ステップワゴン」それぞれ“酔わない”ための工夫とは

くるまのニュース 2023年1月7日 17時10分

家族連れユーザーから支持される人気のボディタイプ「ミニバン」。近年登場したモデルでは、よく起こる「クルマ酔い」対策がなされているものがあります。どのような対策が取られているのでしょうか。

■「クルマ酔い」対策済みミニバンが2車種あった!

 小さい子ども連れや家族の多いユーザー支持される人気のボディタイプ「ミニバン」。
 
 大人数で乗ることができるのはもちろん、荷物もたくさん詰めて旅行などにも便利ですが、長距離を走ると「クルマ酔い」してしまう人もいます。
 
 しかし、近年登場したミニバンではそんな「クルマ酔い」対策が施されたものがあります。

 日産から2022年11月28日に発表された新型「セレナ」は、日産を代表するミドルサイズミニバンのひとつです。

 今回フルモデルチェンジされた6代目は、初代から受け継がれてきた「BIG」、「EASY」、「FUN」の3つのコンセプトはそのままに、移動時の快適性を追求し、最先端技術の搭載や様々な機能の充実を図ったといいます。

 その特徴のひとつに、「クルマ酔いのしにくさ」を挙げています。

 新型セレナでは4つの角度からクルマ酔いを「科学」し、軽減する設計であると説明します。

 まず、「嗅覚」面では新車特有の匂い、いわゆる「新車臭」を低減する素材を選定。

 ディーラーオプションでは、車内の臭気を吸着する「脱臭フィルター」を設定するなど、クルマ酔いの原因のひとつとされる「匂い」の面からアプローチしています。

 乗車時の「ストレス軽減」対策としては、2列目のシートベルトバックルを腹部前方を通るように装着する設計とし、お腹への圧迫を減らして酔いを和らげるようになっています。

 さらに、クッションが受ける荷重を大きくすることで、前すべりを低減させ、シートベルトが身体に食い込みにくくなっているといいます。

 また、一番の原因とされる「視覚刺激」では、2列目はもちろん3列目の乗員も外の景色を見られるように2列目中央部のシートが大きくスライドする「スマートマルチセンターシート」を装備。

 加えて、オプションの後席モニターはあえて外の景色を見えるような位置へ設置するなど、視覚からのクルマ酔い軽減も十分に対策されています。

 さらに、身体に伝わる感覚「体性感覚」面では、シート自体にも工夫が凝らされています。

 頭部の揺れを抑える新開発のフロントシートは、背もたれ上部が前方に折れた形状の「ゼログラビティシート」を採用。

 車両自体にも改良を加え、アクセルやブレーキの操作性を向上しラフな加減速や「カックンブレーキ」にならない制御や、横風によるふらつきを抑えるエクステリア設計など、対策は多岐におよんでいます。

■販売台数好調のホンダ「ステップワゴン」も「クルマ酔い」対策を徹底

 日産の新型セレナに加え、クルマ酔い対策を講じているミニバンがもうひとつあります。
 
 それが、ホンダ新型「ステップワゴン」です。2022年11月の販売台数では、ミドルサイズミニバンで1位を獲得するなど人気を集めているミニバンのひとつです。

社内の「乗り物酔いチーム」と共同開発したホンダ「ステップワゴン」

 ステップワゴンは2022年5月27日に発売され、現行型で6代目となります。

 グレードはシンプルで親しみやすい「エアー」と、精悍でスポーティな印象の「スパーダ」の2グレードを基本構成とし、初代モデルに原点回帰したような箱型を強調したスタイリングや2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載グレードを設定しているのが特徴です。

 そんなステップワゴンも、ホンダ社内の乗り物酔い研究チームと共同開発を実施。

 研究チームは乗り物酔い(クルマ酔い)について、乗員は前方が見えにくいと横を向くため、頭部をしっかり支えられないことが原因だと判明したといいます。

 その結果を踏まえ、1列目から3列目にかけてのヒップポイントを徐々に高く設定する「エレベーション」を従来モデルよりも高低差を増やし、3列目シートが高い位置に設置。

 さらに、3列目の乗員の視界確保のため、2列目シートの背もたれやヘッドライト形状を工夫したほか、水平基調のウィンドウ下縁・上縁が視野を安定させる効果を生むと説明しています。

 3列目シート自体の形状も大幅に改善。ステップワゴンの特徴である床下収納形状であることは変えずに、シートクッションを最大21mm、背もたれ部を最大16mm厚くし、かつシート高さも45mm高くなることで、長距離でも疲れにくいシートを実現しました。

※ ※ ※

 家族や大人数を乗せる機会の多いミニバンでは、車高が高く揺れも多いために比較的クルマ酔いを起こしやすいといわれています。

 しかし、これまでクルマ酔い自体にアプローチした設計を持つミニバンは多くはなかったため、ミニバンを検討しているユーザーからするとクルマ酔い問題に対し「気配り設計」が施されたセレナとステップワゴンは、ミニバンを選ぶ上で大きなアドバンテージといえそうです。

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