道路上に時折見られる縞模様の「ゼブラゾーン」。道路の走行中、なんとなくゼブラゾーンを避けて運転している人も多いかもしれません。そもそもゼブラゾーンにはどのような役割があり、通行のルールはどのようになっているのでしょうか。
■そもそも「ゼブラゾーン」は何のためにある?
交差点の右折レーンの手前などには、「ゼブラゾーン」と呼ばれる、斜めの白い線で描かれたエリアが設置されています。
稀に右折レーンに入る際などで手前のゼブラゾーンを踏んで走行する光景を見かけますが、これらの行為は違反になるのでしょうか。
ゼブラゾーンは「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」において正式名称を「導流帯」とされています。
同法によると導流帯は規制標示のひとつとなり設置されているのは「車両の走行を誘導する必要がある場所」と記載されています。
例えば、右折レーンの手前にあるゼブラゾーンは、このゼブラゾーンに沿って走行することで、右折レーンに安全かつ円滑に入ることができます。
基本的には、分かりにくい複雑な形状の道路、渋滞や事故が起きやすい広い交差点、車線が減少する地点などにゼブラゾーンが設置されています。
そんなゼブラゾーンについて、警察庁交通企画課は次のように回答しています。
「道路交通法(昭和35年法律第105号)並びに道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号)において、導流帯(ゼブラゾーン)は車両の安全かつ円滑な走行を誘導するために設けることとされています」
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一方で、ゼブラゾーンについてSNSを見てみると、「ゼブラゾーンって走行OKなの?」「ゼブラゾーンは入ったらダメだったような…」「実は通っても良いらしいよね」など、通行に関するルールなど様々な声が飛び交います。
では、ゼブラゾーンを通行するのは違反となるのでしょうか。
■ドライバーなら気になるハズ…「ゼブラゾーン」を通行するのは違反?
ゼブラゾーンに沿って走ることで、スムーズに通行できるようになっています。
では、ゼブラゾーンの上を走るなど、進入することは違反にならないのでしょうか。
前出の警察庁交通企画課は次のように回答しています。
「導流帯は一般的に車両の立入りが禁止されているものではありませんが、安全対策上、車両の立入り禁止部分規制を実施することがあります」
この「車両の立入りが禁止されているものではない」ということのため、右折レーンに入るときにゼブラゾーンを走行しても交通違反とはなりません。
ただし、警察庁の回答にもあるように、交通安全上の問題で、立入り禁止部分規制が行われるケースもあり、この場合は進入してはいけないようです。
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ゼブラゾーン上を通行しても問題ないとはいえ、ゼブラゾーンに沿って右折レーンに入ろうとした車と衝突するなど、事故が起こる可能性もゼロではありません。
首都圏にある警察署の交通課担当者は次のように話しています。
「ゼブラゾーン自体の通行は問題ありませんが、万が一通行したことにより事故が発生した場合には、過失割合が大きくなることが考えられます」
そのため、万が一の事故などを避ける意味も含めて、できる限りはゼブラゾーンを通行せずに誘導に沿った運転が望ましいようです。
もしやむを得ず進入する場合は、周囲の車に細心の注意して走行しましょう。