日本を代表するスーパーカーのひとつであるホンダ「NSX」。世界的にも高評価で、自動車史に名を残す名車ですが、そんなNSXがオークションに登場、高値で落札されました。
■国内より安い? 「NSX」の価値を再確認する人も
2024年2月23日、国際的なカーオークションサイト「Collecting Cars」において、ホンダ「NSX」が、12万7500オーストラリアドル(約1248万円)で落札されました。
希少なモデルだといいますが、どのような個体なのでしょうか。
Collecting Carsは、2018年に創設されたカーオークションサイトです。
欧州をはじめ、シドニーやロサンゼルス、アブダビなどに拠点を持ち、欧州車や日本車をメインにオークションが開催されています。
今回、日本円で約1248万円にのぼる高値で落札されたのは、1991年式「NSX」です。伝説的な名車とも言われている車種です。
NSXは1990年にデビュー。車名はホンダの新しいスポーツカー、「ニュー」「スポーツカー」と未知数を表す「X」を合成させたNew SportsCar Xの略で、キャッチコピーは「our dreams come true」、「緊張ではない、解放するスポーツだ」とされました。
ホンダにとっても新たなスポーツカーを開発するべく、大いに力を入れて制作に臨んだクルマで、F1世界選手権で当時最強ドライバーの座に君臨していたアイルトン・セナ選手も開発に携わるなどしていました。
そうして生まれた初代モデル「NA1型」は、ミッドに3リッターエンジンを搭載し、1350kgという軽量なボディを実現。走行性能の高さを最も重視した設計になっており、その走りは生産から30年以上が経過した現在でも高く評価されています。
その性能の高さと、歴史的重要性が相まって、初代モデルなどはとくに中古車市場でも人気な一台です。国内の相場は、程度の良いものであれば1000万円を超えることも珍しくないというわけです。
そんなNSXですが、今回発見された個体はオーストラリアから出品されたものです。1991年式のこの個体は、内外装ともに極上のコンディションと言えます。
日本から2012年に香港へ輸入され、2023年後半にオーストラリアで登録されたという変遷を辿っていて、出品した現在のオーナーは3人目とのこと。メーターパネル上の走行距離は6万7000キロ余りです。
搭載されるエンジンは3リッターV型6気筒自然吸気でECUチューニングが施され、5速MTと組み合わされています。
オークションサイトの紹介によれば、ソーサリー製のカスタムパーツであるフロントバンパー、フロントウィングに、タイテック製の後方パネルとリアウィング、ダウンフォース製のボンネットとディフューザー、ボンネットダクト、リアガーニッシュパネル、リアバランスパネル、マルガ・ヒルズ製のサイドスカート、ガレージ・カイト製のサイドダクトと、カスタマイズの限りを尽くしています。
スパルコ製のバケットシートやサベルト製のハーネスをはじめ、運転席はスポーティな楽しみ方を追求したカスタマイズが行われているとのこと。
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NSXのカルト的人気は衰えることはなく、昨年3月には、隣国ニュージーランドからも1991年式が出品され、その徹底カスタムぶりが話題に。さらに11月にも「タイプR」が出品されて、6000万円近い高値がついたといいます。
往時のスーパーカーブームを象徴する名車は、まだまだこれからも世間を賑わせてくれそうです。