1977年に北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん=川崎市=が4日、89歳の誕生日を迎える。同日までの共同通信の取材に「よく生きてこられたと思う。ひどい人生だが、帰ってくるまでは頑張る」と思いを語った。
夫の滋さんは2020年に87歳で死去。早紀江さんも23年に体調を崩して一時入院した。両親と兄は既に亡くなり「今が一番寂しい」と思いを吐露。「筋肉が弱って転んでばかりいるけど、ここまで生かしてくださったのだから、信じて祈るしかない」と話した。
めぐみさんの2人の弟は、高齢になった早紀江さんの身を案じている。被害者家族会の代表を務める拓也さん(56)は、1月に東京都内であった集会で「母は元気で過ごしているが、明日は元気ではないかもしれない。そう思うと、残された時間は限られていると改めて感じます」と述べた。
拓也さんの双子の弟で家族会事務局次長の哲也さん(56)も「元気なうちに家族と会うことができるようになってほしい。日本政府は結果を出していただきたい」と訴えた。