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犬は人と「キスなんてしたくない」 動物心理の専門家が語る8つのヒント

ニューズウィーク日本版 2018年4月16日 18時30分

<キスしながら犬は「近くに寄ってほしくない」と思っている可能性も。愛するペットにストレスを与えないために押さえておきたいポイントは...>

犬の表情や仕草から心境を読み取れることもあるが、結局のところ犬は話せないので、本心はわからない。しかし、動物心理の専門家であるブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のスタンレー・コーレン教授や他の専門家などが考察するに、犬にとって嬉しいこと、逆にストレスになり得ることは、おおよその見当がつく。

ここに、犬とのスキンシップの参考にしたい8のポイントを挙げる。

1.ハグはだめ

犬は人からの物理的な愛情を望んではいるものの、耳のあたりを触られるのは何よりも嫌な気分がするという。だから、私たちが抱擁で感じる幸福感を犬も同じように感じているというのは間違い。犬にしてみればありがた迷惑に過ぎない。

コーレン教授の報告によると、ペットは抱きしめられると不快感を感じることさえある。「(人にとっては)愛しく気分が安らぐ行為かもしれないが、ペットにとっては特に顔を触られることで閉鎖感を感じ、恐怖心が生まれることがある」と、動物行動の専門家エリン・アスクランドは指摘する。

2.汚い服にすり寄ってもそのままに

飼い主が着た後の汚れた靴下や下着を洗濯かごから抜き取っても、問題視しないでいい。これこそ、犬が飼い主を愛している証拠だ。

犬の嗅覚は人よりはるかに優れている。1000倍とも、場合によっては1億倍とも言われる。そんな犬にしてみたら、話し合いではなく臭いを通じてコミュニケーションを図るのはごく自然なこと。犬にとって洗濯かごに入った汚れた衣類は、格好のツールだ。飼い主の存在を近くに感じ、思う存分に堪能しているのだ。

飼い主が休暇で出かけるときには、着古したTシャツを与えるといい。不在でも、犬に安心感を与える助けになる。

3.昼寝のための専用エリアを作る

犬たちはどこででも眠りにつくことができそうだが、それが十分に良い睡眠を取れているということではない。より良い昼寝をさせるには、ベッド、クッションといった犬専用のエリアを設けるのがベター。

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4.華美な洋服は不要

可愛いセーターやブーツに身を包んだ愛犬。確かに愛らしい姿に飼い主は満足するかもしれないが、犬はそんなものを着なくても温かさを維持できる。事実、服を着せられた犬の多くは暑がり、行動も制限されることでストレスを感じるという。

もちろん一概に当てはまるわけではない。短毛の小型犬であれば、犬用の衣類や毛布は体温を守る良い方法だ。しかし、大体のケースは人間の自己満足に過ぎない。

5.お腹をさするのはダメ

動物の疫病予防を中心に愛護活動を展開する団体「spcaLA」のサラ・テイラーは、動物の行動と訓練のエキスパート。テイラーが言うには「犬の多くはすでに服従しており、これは不安と恐怖を示す。だからお腹を触られるのは犬にとって楽しいことではない」。犬に愛情を示すなら、お腹の代わりに胸のあたりを撫でてあげると良い。

6.いつも同じエサを与えること

来る日も来る日も同じエサを食べるのは退屈なことだと思うかもしれない。しかし、このルーティンは犬にとっては良いこと。エサのメーカーやブランド、味を絶えず変えると、下痢や胃の不調を引き起こす可能性がある。

7.犬だって刺激がほしい

お喋りに興じる、スマホでゲームする、ネットフリックスを視聴する――。人にはたくさんの退屈しのぎがあるが、犬はそんなもの持っていない。犬を退屈にさせないためにも、おもちゃは欠かせない。何個か馴染みのおもちゃを与えるのがお勧めだ。

8.キスさせるのはよくない

飼い主の顔、唇を舐める犬の姿を見たことがある人は多いだろう。しかし、犬が人の顔をぺろぺろ舐めるのは、遠くに追いやりたいという意志表示ともいえるそうだ。決して「キス」したいからではない。

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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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