米カリフォルニア州で発生した山火事で、大谷翔平が所属する米大リーグ(MLB)ドジャースなど同地に本拠地を置く12のスポーツチームが発表した寄付が思わぬ波紋を呼んでいる。理由は金額。計800万ドル(約12億4000万円)以上とされるが、参加チームの資産価値や収益が高いことは周知の事実で、「ケチで無礼」との指摘が出ている。
12チームは13日、被災者や消火活動従事者への支援として、米赤十字社など各種団体に800万ドル以上を寄付すると発表した。合わせて17日にはドジャースタジアムなど3カ所で避難者らへの物資提供を行うとしている。
参加しているのはロサンゼルスや近郊に拠点を置く12チーム。内訳は野球(MLB)のドジャース(大谷、山本由伸)、エンゼルス(菊池雄星)、バスケットボール(NBA、WNBA)のレーカーズ(八村塁)、クリッパーズ、スパークス、アメリカンフットボール(NFL)のチャージャーズ、ラムズ、アイスホッケー(NHL)のダックス、キングスの米4大スポーツに加え、サッカー(MLS、NWSL)からギャラクシー(吉田麻也、山根視来)、エンゼルシティー(遠藤純)、LAFCが加わっている。
今回の拠出額を12チームで等分すると、1チームあたり1億円ほど。12チームは2023年にハワイで起きた山火事でも45万ドル(約7千万円)を拠出。今回の寄付で各クラブの拠出内訳は明らかになっていないものの、本拠地での大災害だけに「少し安すぎるのではないか」という非難が上がっている。
矛先は世界屈指のビッグな存在に向かう。昨年12月、米経済誌フォーブスが発表した資産価値を示す世界のスポーツチームランキングによると、ラムズは世界3位で76億ドル(約1兆1200億円)。このNFL強豪を筆頭に、レーカーズは8位で71億ドル(1兆1千億円)、ドジャースは24位タイの54億5千万ドル(約8500億円)となっている。
英紙デイリー・メールは「LAのチームの『哀れな』寄付に非難」と題した記事で、各チームのファンらから「大した金額ではないね」「チームは火事を気にしていないということでしょ」「『寛大な』行動に感謝すべきなのか?」などの声が上がっていることを紹介した。