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8000万光年先の「おなじみの光景」

sorae.jp 2019年11月6日 22時37分

【今日の天体紹介:棒渦巻銀河 IC 4653】

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたこの天体は、さいだん座の方向約8000万光年先に位置している棒渦巻銀河「IC 4653」です。

IC 4653を巻く渦状腕を取り巻く青白い光は、銀河内で沢山の新しい星が誕生している事を示しています。

天体を紹介する際に、○○光年先にという表現をしていますが、1光年は光の速さで約1年進むことのできる距離の9兆4600億kmを指します。8000万光年先となると、光の速度でも8000万年かかるという途方も無い距離と言えます。しかし、宇宙規模から考えると8000万光年はそれほど遠いものではありません。300億光年離れた天体も存在するものですから、感覚が麻痺しそうですね。

また、「IC 4653」の様な距離に位置している銀河は、天の川銀河やアンドロメダ銀河などの近隣の銀河と形状や構造が似ているものが多いため、外から観測することができない天の川銀河の構造の解明などの研究に役立たれています。なお、ハッブルのサイトでは「おなじみの光景(A Familiar Sight)」と題されています。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ「WFC3」の可視光と赤外線フィルターで捉えたデータの合成画像で、2019年10月29日に公開されました。

 

関連:「NGC 7773」に見る模範的な棒渦巻銀河の姿

Image: ESA/Hubble & NASA, D. Rosario (CEA, Durham University)
Source: HUBBLE

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