南天“ふうちょう座”の渦巻銀河「IC 4633」 ハッブル宇宙望遠鏡などが撮影
sorae.jp / 2024年4月12日 21時7分
こちらは「ふうちょう座(風鳥座)」の方向約1億光年先の渦巻銀河「IC 4633」です。IC 4633は地球からは正面に近い角度で見える、いわゆるフェイスオン銀河のひとつです。
【▲ 渦巻銀河「IC 4633」(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Dalcanton, Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA; Acknowledgement: L. Shatz)】欧州宇宙機関(ESA)によると、IC 4633はふうちょう座に隣接した「カメレオン座」にある星形成領域を構成する暗黒星雲によって部分的に隠されています。画像のIC 4633は、一見すると狭い領域から強い電磁波を放射している活動銀河核がある明るい中心部や、その周囲に広がる渦巻腕(渦状腕)の様子がよくわかるように思えますが、塵(ダスト)に吸収・散乱されやすい可視光線だけではその性質を完全に理解することはできないといいます。
この画像の作成には「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得されたデータが用いられています。ハッブル宇宙望遠鏡によるIC 4633の観測は、「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」やハッブル宇宙望遠鏡自身による将来の詳細な観測の対象になり得る銀河を探す取り組みの一環として実施されました。
また、画像の作成にはハッブル宇宙望遠鏡のACSだけでなく、セロ・トロロ汎米天文台のブランコ4m望遠鏡に設置された「ダークエネルギーカメラ(Dark Energy Camera: DECam)」による光学観測データも使用されています。DECamはその名が示すように暗黒エネルギー(ダークエネルギー)の研究を主な目的として開発された観測装置で、当初の目的である暗黒エネルギー研究のための観測は2013年から2019年にかけて実施されました。
冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2024年4月8日付で公開されています。
Source
ESA/Hubble – Hidden in a dark cloud文・編集/sorae編集部
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