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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡「次の恒星間天体」の観測に挑戦

sorae.jp 2022年3月9日 17時10分

【▲2017年人類史上初めて確認された恒星間天体オウムアムアの想像図(Credit: NASA, ESA, and J. Olmsted and F. Summers (STScI))】

NASAは2月16日、NASAなどの次世代ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が次の恒星間天体の観測に挑戦すると発表しました。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、偉大な業績をあげたハッブル宇宙望遠鏡の後継機で、直径6.5mの主鏡を持ち、暗い光に対する非常に高い感度と優れた空間分解能で、赤外線を観測します。ちなみに、ハッブル宇宙望遠鏡の主鏡の直径は2.4mです。

すでに、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、観測地点である「太陽と地球のラグランジュ点のひとつ「L2」を周回するような軌道(ハロー軌道)」へ到着しており、本格的な観測の開始に向けて、鋭意調整中です。

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【▲確認された人類史上2番目の恒星間天体ボリソフ彗星の画像。ハッブル宇宙望遠鏡により撮影(Credit: NASA, ESA, and D. Jewitt (UCLA))】

これまで、恒星間天体はたった2つしか見つかっていません。2017年に発見されたオウムアムアと2018年に発見されたボリソフ彗星です。

天文学者達は常に次の恒星間天体を探しています。しかし、その候補が見つかっても、追加観測によって軌道を調べるなど、数日から数か月かかるといいます。

そして、恒星間天体であることが確認されると、いよいよジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の出番です。その恒星間天体の軌道が、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の視野を横切る場合、近赤外線と中赤外線といった2つの赤外線の波長での観測が予定されています。

近赤外線の分光観測では、太陽の熱で氷が蒸発してできたガスの化学的な組成を調べます。また、中赤外線の分光観測では、表面から吹き上げられたチリや砂、礫などの化学的な組成を調べます。ちなみに、近赤外線の分光観測はNIRSpec(Near-Infrared Spectrograph)、中赤外線の分光観測はMIRI(Mid-Infrared Instrument)と呼ばれる観測装置です。

調査チームを率いるマーティン・コルディナーさんは「(優れた性能を誇るジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測によって)恒星間天体の化学的な組成を調べ、恒星間天体がどこから来たのか、それがどのようにしてつくられたのか、などその本質について知る空前の(unprecedented)機会を得ることができます」とコメントしています。

 

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Source

Image Credit: NASA, ESA, and J. Olmsted and F. Summers (STScI)/NASA, ESA, and D. Jewitt (UCLA) NASA - Studying the Next Interstellar Interloper with Webb

文/飯銅重幸(はんどうしげゆき)

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