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「ママごめんね」職場の冷たい視線を感じて…超マザコン新入社員が下した“大きな決断”

日刊SPA! 2024年3月22日 15時53分

 時代が進むにつれ親子の関係性が密に感じる人も多いでしょう。それは、世の中が豊かになったからなのか、それとも少子化の影響なのか。今回話を聞いたのは、社会に出て自分たちの親子愛が尋常じゃないことに気づかされた母親と息子のエピソードです。
◆一人っ子で母親が好きな若者

 自称超マザコンの横堀たすくさん(仮名・23歳)。大学生活の大半をコロナ禍の影響で満足に過ごせなかったようですが、地元の食品製造会社の営業部に就職することができました。

「ほんと、ついてませんよね。大学のキャンパスに出向いたのはほんの数えるほどです。ほとんどの授業はリモートで、サークルには行けず、飲み会もなく、あまり良い思い出はありません。でも、なんとか地元で就職でき、今は希望に満ちあふれています」

 そんな状況だったからなのか、たすくさんは1日の大半を母親と過ごすことが多かったそうです。

「自分で言うのも恥ずかしいのですが、母のことが大好きなんです。僕のことを一番理解してくれますし、母も僕といたら一番幸せって言ってくれます。あと、クルマの運転がとても上手なのはかなり尊敬しています」

◆順調な社会人1年生と少しの悩み

 勉強熱心で負けず嫌いなところもあるたすくさんは、入社してからも他の同期より早めに出社して販路拡大に意欲的に取り組んでいました。

「営業って、商品をどれだけ売ってナンボだと思うんです。だから、少しでも多く売れるようにいろいろ工夫することが性に合っていました。おかげで、販売実績は常にトップでした。ただ、1つだけ悩みがあって、それは今まで一度も彼女ができたことがないんです。そろそろ欲しいかなって、最近特に思います」

 同期や地元の友達とかとのコミュニケーションは全く問題なく、むしろたすくさんは場を盛り上げることも上手。周りからも慕われているといいますが、恋愛対象とみられることがことごとく少ないのだそうです。

◆気になり出した周囲の視線

 実は、毎日母親の車で送迎してもらって通勤しているたすくさん。しかも時々車の中で一緒にお弁当を仲睦まじく食べることもあるのだとか。

「やはり変なんですかね。この前、同期に『おまえ、昼休みにお母さんの車の中で一緒に昼飯食ってるの……』と言われたんです。あの時はたまたま母親が用事があって会社の近所まで来たらしく、僕の好きな洋食屋の弁当を買ってきたとLINEが入ったので一緒に食べました。だから、事実なので特に否定せずにいたら『それ、おかしくない?』って言われました」

 たすくさんの行き過ぎたマザコンのうわさは徐々に広まっていき、最近は周りの視線に冷たいものを感じるようになったそうです。

「今まではなんとも思わなかったのですが、最近周りの視線が特に気になって仕事も捗らなくなってきたんです。やっぱりウチは異常なんでしょうか?」

 自分たち親子の関係が、もしかしたら異常なのではないかと自問自答するようになり、どのようにしたらいいのかを日々考えるようになったといいます。

◆最初で最後の重大な決断

 たすくさんはある日、直属の上司であるK部長(45歳)に、自分が抱えている悩みのすべてを赤裸々に打ち明けたといいます。

「部長は、どういう訳か自分のうわさを知っていたようで、特に驚いた様子もなく『横堀くんはどうしたいんだ?』と聞いてくれました。『僕はこの会社とこの仕事が好きで、少しでもみんなと一緒に頑張って貢献したい』と伝えたんです。そうしたら『東京のサテライトオフィスに期間限定で異動してみてはどうか?』と提案してくれました」

 たすくさんは、東京へ異動することが自分たちにとって良いことだということは分かっていました。

「やっぱり僕たち親子は離れるべきだと思いました。だから、ある夜、思い切って『東京に単身赴任するかもしれない』と打ち明けました。そしたら、なんと『がんばっておいで』って言われたんです」

 実は、母親も息子の様子に異変を感じていたそうで、秘密裏に上司のK部長に相談していたとのこと。異動後のたすくさんは、何か吹っ切れたように仕事に邁進している様子で、時々上京する母親に甘えているとのこと。これからも良い親子関係が築けることを願うばかりです。

<TEXT/ベルクちゃん>

【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

―[とんでも新入社員録]―

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