元高校球児が甲子園球場で試合を行う「マスターズ甲子園2024」の2日目が10日に開催され、PL学園OB(大阪代表)が鳴門渦潮OB(徳島代表)に9―8で勝利した。
PL学園OBとしてフリーアナウンサーの上重聡氏が出場した。98年夏の甲子園大会準々決勝で横浜(神奈川)の松坂大輔と投げ合って以来26年ぶりの聖地のマウンド。3回の先頭打者を抑えて交代すると、9―8の7回から再登板して三者凡退に片付けた。
最速120キロを計測して、打者4人を無安打に抑える好投。「正直、あのときの記憶のままでいたいなという思いがあって、甲子園から遠ざかっていました。40歳を過ぎてから、もう一回あの風景を見たい、もう一度甲子園に立ちたいと思って、ここ3年参加させていただいて3年目でマウンドに上がれた。アルプス席を見渡したり意外と余裕があって、この気持ちで投げていれば、(98年夏の)あの試合も勝てたかなと思うぐらい楽しめました」と笑顔を見せた。
一塁側観客席では、同校硬式野球部の2年生1人と、今夏限りで軟式野球部を引退した3年生3人の計4人の在校生が先輩の応援に駆けつけた。同校教諭が「せっかくの機会なので先輩のプレーを見に行こう」と提案して現地観戦が実現した。
休部状態だった同校の硬式野球部は、昨年に新入部員1人が入部したことで活動を再開。同部員は、今夏の軟式野球大阪大会に合同チームのボールパーソンとして参加した。
学校関係者によると、現在も硬式野球部員として週6度の練習を続けている。部員確保の見通しは立っていないことから、来年度も軟式大会の参加を選択肢の一つとして硬式野球部の活動継続を目指す。
マスターズ甲子園に参加した上重氏は、「PL学園のユニホームを見てもらえる機会になるというメッセージも発信できればと思い、参加しました。子どもたちも多く来ていたので、PL学園で野球をやってみたいと思う子が一人でも出てくればうれしいなと思います」と期待した。