女子ゴルフの日本女子ツアーで今季8勝を挙げた竹田麗央(21=ヤマエグループHD)のメルセデスランク1位が10日に確定し、プロ3年目で初の年間女王戴冠が決まった。この日まで行われた伊藤園レディースは通算2オーバーの73位で予選落ちしており、地元・熊本で吉報を聞いた。93、94年賞金女王の平瀬真由美(55)を叔母に持つ21歳が、日本女子No.1の座に輝いた。
本格派の21歳が、プロ3年目で真価を発揮した。平均260ヤードを超えるツアー1位の飛距離はさることながら、高い弾道で球筋はフェード。飛距離でアドバンテージを取った上で、短い番手で止まる球を打つことができる。さらに、今季の躍進のカギとなったのがショートゲーム。オフに徹底的にパットとアプローチを強化してきた。正直なところ「つまらなかった」と苦笑いするけれど、パーより良いスコアを獲得する確率のパーセーブ率はここまでで91・05%で2位。昨季の86・4035%(25位)から大きく向上した。
熊本で生まれ育ち、実家はゴルフショップだった。母・哲子(さとこ、59)もプロというゴルフ一家。この道に進むのは宿命だった。ただ、ゴルフだけでなく小学時代は水泳とヒップホップダンスにも熱心に取り組んだ。最も好きな泳ぎはクロール。「肩甲骨が柔らかくなった」と振り返る。気づいたときから飛距離が出ていたという21歳。肩甲骨の柔軟性が、飛距離を生んでいる。現在もトレーニングは重りを持たずに自重で行っており、強いだけでなくしなやかさもある体が特徴だ。
前週、国内唯一の全米女子プロゴルフ協会TOTOジャパンクラシックで今季8勝目を挙げ、米ツアーの2年シードを獲得した。「いろいろ準備しないといけないんですけど、凄く楽しみだなって思います」。日本No.1の称号を手にした大器が、次は世界の舞台に足を踏み出す。
◇竹田 麗央(たけだ・りお)2003年(平15)4月2日生まれ、熊本県出身の21歳。名前の由来は父が経営するゴルフショップの客が話した「リオのカーニバル」(ブラジル)。プロゴルファーの母・哲子の影響で6歳からゴルフを始める。熊本国府高時代の19年九州ジュニア優勝、21年日本女子オープン7位でローアマ。同年プロテスト一発合格。23年メルセデス・ランク22位でシード権獲得。同年の飛距離ランクは258.91ヤードで2位。目標のプロはダスティン・ジョンソン(米国)とロリー・マキロイ(英国)。好きなクラブは1W。両親と兄、弟の5人家族。1メートル66、68キロ。