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2022年に証券会社が果たす役割とは?大和証券グループ本社・日比野隆司会長に問う!

財界オンライン 2022年1月24日 18時0分

「リスクマネー」の提供で新たな起業家を支える!
 ─ 大和証券グループ本社会長の日比野隆司さんは世界経済の行方をどう分析していますか。

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 日比野 世界経済はコロナ禍による落ち込みを脱し、回復過程に入っています。日本はコロナ対応の出遅れを主要因とし株価、成長率ともに主要国の中で出遅れていましたが、ここから挽回する局面に入るのではないかと見ています。

 21年度の企業業績は過去最高益、22年度も更新の見通しです。22年の日本経済はV字回復に入ると見ており、株価はバブル期の史上最高値にチャレンジするための土台ができる年になるのではないかと考えています。

 ─ その中で中国経済は中国恒大集団の問題などもありますが、中国の行方をどう見ますか。

 日比野 正直言って、よく判らないところがある点が恐いところです。個人的にはこれまでの中国は結構無理して伸ばしてきた部分があろうかと。その歪みが恒大問題を含めた不動産バブルの調整へとつながっている。

 中国は日本の歴史を勉強しているので、バブル崩壊後の日本のようにはならないと思いますが、ある程度の調整は不可避な状況に来ているのではないかと。

 中国政府が掲げる、貧富の格差を縮小して社会全体を豊かにするという「共同富裕」の方針により、ハイテク企業などに対する寄付強制などの政策が出てきていますので、中国のアントレプレナーシップを抑え込んでいる面があります。中国経済の想定以上の減速は22年のリスクのうちの1つだと思います。

 ─ 一方で「日本のGAFAM」はなぜ出ないのかと言われます。企業の掘り起こしについてはどう考えていますか。

 日比野 これは日本再生の鍵だと思います。新しい企業が出てきて伸びていくところに賭けるべきだと思います。米国や中国のハイテク企業を見ても、創業後、一世代プラスアルファぐらいの期間で急成長しています。

 日本も国や大学経由での様々なサポートに加え、私ども証券界はリスクマネーの提供者として新しい起業家が必要とするマネーを潤沢に提供していく。そして日本の強みの一つである2000兆円の個人金融資産を、日本の明るい未来への成長資金に転じていく必要があります。

 ─ 岸田政権が「成長と分配の好循環」を掲げています。

 日比野 分配の前に成長が必要です。例えば金融所得課税を上げても、株価が下がったらキャピタルゲインはなくなります。投資を「単純な利殖手段」でなく、自身の将来不安解消、社会課題の解決、将来世代のより良い未来を引き寄せる手段として活発化すれば、経済全体の好循環につながると思います。

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