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【ビットコインはどうなる?】ビットバンク マーケット・アナリストが解説「代替資産としてのビットコインの台頭」

財界オンライン 2021年7月4日 11時30分

機関投資家の本格参入や、一部の米事業会社や生命保険による投資運用開始を起爆剤に、代表的な暗号資産(仮想通貨)・ビットコインは昨年、初めて2万㌦台に乗せ、「仮想通貨バブル」と称された2017年末に付けた過去最高値を大幅に更新し、3年越しの返り咲きを演じた。
 
 21年に入っても、米電気自動車メーカーのテスラが15億㌦(1620億円)相当のビットコイン購入を明かし、相場は瞬く間に5万㌦を突破。4月には、一時、6万㌦にも到達した。

 機関投資家や企業の腰の入った資金の呼び水となったのが、コロナ禍を受けた各国中銀の大規模金融緩和で、紙幣増発による法定通貨の価値毀損、それによる将来的なインフレ高進を懸念して、無国籍通貨で、供給量の上限が予め定められているビットコインがオルタナティブ投資の対象として台頭した格好だ。

 また、これに加え、昨年はビットコインがインフレをヘッジ(逃避)する資金の受け皿となりやすかった要因が二つある。

 一つ目は昨年5月にあった「半減期」だ。新規に発行されるビットコインのペースが文字通り半減する4年に一度のイベントで、前述の固定された供給量に加えてコインの希少性を担保する一つの仕組みとなっている。ビットコインが「デジタルゴールド」とも言われる所以である。

 そして二つ目が8月上旬に起きた金(ゴールド)相場の頭打ちだ。金こそインフレヘッジ資産の代表格だが、このタイミングで金価格と逆相関の関係にある米10年債利回りが底を打ち、金相場はそれ以降、ドル安が進行する中でも上値の重い展開が続いた。一方、こうした制約が課されないビットコインの相場はドルの下落に逆行し続け、11月に金相場が1800㌦を割り込む場面でも底堅く推移した。

 以上の二点は今年のビットコインの展望を考える上でも重要なポイントとなる。まず、過去二度の半減期を通過したビットコインは、希少性が上がったことで長期的な上昇トレンドに入っており、市場のサイクルから鑑みるに今年も相場に上昇圧力が掛かりやすいと指摘される。また、市場のインフレ懸念が燻る現状で、米長期金利はコロナ前の水準まで戻しており、ビットコインはインフレヘッジの受け皿として金よりも魅力的な資産と言えなくもない。

 勿論、ビットコインはボラティリティーが高いだけにリスクも高い。環境懸念を背景としたテスラのビットコイン決済受付停止や中国の新たな規制の思惑によりセンチメントが悪化した5月には、ロング(買い持ち)に偏り過ぎた市場のポジションが雪だるま式に解消され、相場を唐突に暴落させた。

 ただ、仮想通貨のデータ分析を手掛けるグラスノードによれば、相場が3万㌦の安値を付けたタイミングで1000BTC(約44億円)以上を保有するアドレスの数が逆行反発し、更には大口投資家や機関投資家とされるOTC(店頭取引)のアドレスから自身が管理するアドレスへ資金が移動されていることも確認されており、大口の買いはまだまだ緩んでいないようだ。

 ビットコインの時価総額は80兆円強と、1200兆円とされる金と比べればまだまだ小さいが、それだけに伸び代も残されている。4月の米国のインフレが市場予想を遥かに上回ったことで、政策引き締めによる流動性相場逆流も懸念される一方、市場が織り込む将来のインフレ率であるブレークイーブン・インフレ率は8年ぶりの高水準で推移しており、今年もオルタナティブアセット(代替資産)として一定の需要が見込めそうだ。

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