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『ANA』がピーチに国内線を一部移管 ポスト・コロナの主軸は観光需要

財界オンライン 2021年9月15日 11時30分

2021年度下期を迎える中、ANAホールディングス(HD)が早期回復の見込まれる需要の獲得を目指して動き出す。航空業界では「LCC(格安航空会社)が強い観光路線の復活と需要が旺盛な国際貨物がカギを握る」(別の関係者)という見方が大勢を占めている。

 ANAHD傘下のANAは10月31日からの冬ダイヤで国内4路線の一部便をグループのLCC「ピーチ・アビエーション」に移管。両社のブランド名を冠して互いの予約システムで集客できる共同運航(コードシェア)よりも一歩踏み込んだ〝移管〟で機材の最適化につなげることが狙いの1つだ。

 例えば、中部―札幌・那覇、福岡―那覇の3路線はANA便を減便した分をピーチ便の運航に切り替え、運休する福岡―石垣線は全便を移管。コロナ後の航空需要は「国内のレジャー需要から回復していく」と同社は見ている。そこでANA便よりも低価格運賃で観光路線に強く、運航コストを抑えられるピーチに移管することで路線網自体を維持することができる。

 2つ目の狙いはピーチへの路線の移管で機材繰りに余裕が生じる点だ。ピーチに移管する4路線には小型機「ボーイング737」が投入されていたが、移管後はピーチの小型機「エアバス320」に置き代わる。ボーイング737が使われている路線をピーチに移管すれば同機に余裕が生じ、需要が冷え込んだときの小型化や需要の回復時における臨時便など、需給に合わせた機材投入が可能になる。

 同時に、国内線に投入している中型機「ボーイング787」の有効活用にもつながる。同機は国際線仕様だが、現在は国内線でも利用中。足元では国際貨物が旺盛で、コロナ前比で運賃が2倍という状況が続く。

 秋に入ると米国を中心にクリスマス需要が訪れることも予想され、国際貨物の高い需要が取り込めると見込む。ボーイング787であれば貨物スペースを搭載しているため、有効に活用できるという算段だ。

 当面は自社の経営資源のフル活用で苦境を乗り切る構えだが、夏冬の賞与支給の見送りをはじめ、客室乗務員などからは「目の前の仕事がないことに不安を感じる」という声は尽きない。コロナ禍で社長の片野坂真哉氏は「雇用を守る」と宣言しているが、こういった社員の不安をどのように解消するか。トップとしての危機管理が問われる。

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