JALとタッグ「ヤマトの貨物機」ついに就航! 物流「2024年問題」攻略の切り札になるか?
乗りものニュース / 2024年4月11日 7時37分
「空飛ぶクロネコ宅急便」ついに実現!
スプリング・ジャパンによる運航
宅配大手のヤマトホールディングスが導入し、JAL(日本航空)グループが運航する貨物専用機が2024年4月11日より商業運航を開始しました。同日午前6時ごろ、その初便が成田空港を出発しています。
「ヤマトの貨物機」は、国内航空会社では初導入となる「エアバスA321ceoP2F」というモデルが用いられます。尾翼には「クロネコ」のロゴが大きくあしらわれ、胴体はグレーをベースに、前方に大きくヤマトホールディングスのロゴマークが描かれています。運航はJALグループのLCC(格安航空会社)、スプリング・ジャパンが行います。
この機はJALのグループ会社のLCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンのほか、中国・春秋航空をはじめ、世界の多くの航空会社が導入する「エアバスA320」シリーズの姉妹機で、A320より胴体延長が図られた「A321」をベースとします。A321ceoP2Fは、中古のA321旅客機を貨物専用機に改修したもの。1機あたりの最大搭載重量は28t(10t車約5~6台分)で、床下貨物スペースに航空コンテナの搭載が可能です。
「小型機ではありますが貨物を多く積み込み、航続距離も国内をカバーできます。宅急便を担うには最適な飛行機です」。JALの赤坂祐二会長は、この機を次のように説明します。
初便となったのは成田発那覇行きのIJ451便。機内にはEコマースの商品やパーツ類、宅急便の荷物などが搭載されているとのことです。
ヤマトの貨物機はこの日から成田~新千歳・北九州・那覇の3空港へ1日9便のダイヤで就航し、さらに同年夏を目処に羽田発着の深夜便を開設し、1日13便体制となる予定です。
ヤマトグループなどの物流事業者は、通販サイト需要の拡大、モーダルシフトなど環境に配慮した取り組みの推進はもちろん、2024年4月から自動車運転業務の年間残業時間が上限960時間になることなどによる長距離トラックの輸送力の確保、代替手段の検討など、対処すべき課題を抱えているとしています。
今回の「ヤマトの貨物機」は、新たな輸送手段として貨物専用機を活用することで、安定的な輸送力の確保やサービス品質の維持・向上を図る狙いがあるとしています。
「貨物専用機の導入によって時間・距離を縮めることができるようになりました。それを活用して各地の素晴らしい物品の輸送や産業の発展に貢献していきたいです。初めての空へのチャレンジですが、安全を最優先にJALさんと取り組み、当社が従来なかった形のものを提供できるよう、精進いたします」(ヤマトホールディングス長尾 裕社長)
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