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【エネルギー危機】無責任な「脱炭素」にしっぺ返し 光熱費の急上昇が企業収益・家計を圧迫 すでに世帯あたり「毎年6万円」負担、さらなる“炭素税”計画も

夕刊フジ / 2021年11月25日 17時7分

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高騰するガソリン価格。岸田首相はエネルギー危機にどう対処するのか(夕刊フジ)

 エネルギー価格の高騰が、企業収益や家計を圧迫している。電気・ガス料金は来年1月から値上げする見通しであるうえ、レギュラーガソリンは年初に比べて2割超も上昇した。原油や液化天然ガス(LNG)の世界的高騰に加え、円安ドル高の影響も大きい。岸田文雄政権は19日に決定した追加経済対策に、ガソリンなどの価格が一定水準を超えた場合、石油元売り業者に補助金を出す支援策を盛り込んだが、店頭価格が下がる保証はない。背景にある「脱炭素」の悪影響と、「官製エネルギー危機」とは。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏が緊急連載する。

 世界的なエネルギー価格の高騰を受けて、日本の光熱費も急上昇した。ガス、石油、石炭、そして電力価格も軒並み上がっている。自動車のためガソリンを多く使う地方経済には特に負担が大きく、暖房が必要な寒冷地は厳しい冬を迎えている。

 この価格高騰は、先進諸国が、エネルギーの安定安価な供給をなおざりにして、「脱炭素」にうつつを抜かしてきたことへの強烈なしっぺ返しだ。例えば、風力発電を増やし「風任せ」になった英国では、たまたま風が弱い日が続いて、代わりに天然ガスを使って発電した結果、ガスも電気も不足し価格が高騰した。

 日本はどうか。実は、太陽光発電などの再生可能エネルギー賦課金として、すでに世帯あたり「毎年6万円」も払っていることをご存じだろうか?

 諸君の家庭電気料金には毎年1万円が上乗せされて徴収されている。企業も賦課金を負担していて、これは世帯当たりに換算すると毎年5万円になる。これは諸君の給料の減少や物価上昇になって、結局は世帯が負担している。

 いま日本政府が進める「脱炭素」で、国民負担はますます膨らむ一方だ。環境省はCO2(二酸化炭素)1トンあたり1万円の「炭素税」について検討している。北海道・東北の寒冷地のCO2排出量は世帯あたり年間5トン程度だから、これは年間5万円の課税になる。いまのエネルギー価格高騰は、ちょっとした炭素税の予行演習になっているわけだ。これで諸君はハッピーだろうか?

 しかも、この程度の炭素税では、実はCO2はほとんど減らない。エネルギーは、産業にとっても生活にとっても必需品だから、いままさにそうであるように、価格が高くなっても人々は買わざるを得ない。

 ◆日本企業の工場は海外に逃げる

  政府は「脱炭素」などと言っているが、一体、どこまで炭素税を上げ、エネルギー価格を上げるつもりなのか。これはまったく国民に知らされていない。政府は「環境と経済の好循環」などと、きれいごとを言うだけである。炭素税で光熱費が暴騰したら好循環などあるはずがないことぐらい、庶民は皆知っている。

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