【住まいの処方銭】IT不動産ベンチャー「Fan’S」 空き家に大規模なリフォーム、床軋む住宅の購入例も

夕刊フジ / 2018年5月17日 16時57分

★増える空き家活用(2)

 空き家の管理に手間取るなら、早めに売却する方法もある。

 IT不動産ベンチャー「Fan’S」(東京都渋谷区)は、空き家に大規模なリフォームを施して賃貸にし、投資家に売却する事業を手がける。2017年期は30件を販売した。18年期は70件を目標としている。

 同社の特徴は、空き家の持ち主からみると「売れないだろう」と思うほど老朽化が進んだ住宅でも、条件が合致すれば買い取ること。過去には、床がきしみ、足を踏み入れると危険と思われるほどの住宅を購入したこともある。

 買い取り条件は、1都3県の空き家で、渋谷区恵比寿にある同社のオフィスから車や電車で1時間半程度にあるもの。周辺にスーパーや病院など生活利便な施設があり、借り手がいるかどうかが、重要ポイントだ。

 同社広報チームの原口千絵さんは「売却される方は相続発生後もしばらく所有しているのですが、管理に限界を感じる方が多いです」と話す。同社に売却した場合、家が残り、住み続ける人がいる点が客から評価されているようだ。

 過去の買い取り価格の平均は数百万円ほど。過去には数十万円から3000万円程度までの実績がある。

 神奈川県内の高台にある築50年、土地200平方メートル、2階建ての物件は300万円で売れた。売り主は40代の男性。子供の頃に住んでいた家だが、アプローチに若い人でも息切れがするほどの長い階段があり、車は侵入できなかった。住んでいた父は低地に引っ越し、1年も空き家。現在は大規模な工事中で、もうすぐ生まれ変わったきれいな住まいになる。

 原口さんは「取り壊すのも費用がかかります。壊す前にご相談いただき、査定が出てから壊すかどうかを判断する方法もあります」と話す。(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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