「民主化の父」台湾・李登輝元総統が死去 「日本精神」説き続け、日本国民に親しまれる 世界は称賛、中国は酷評

夕刊フジ / 2020年8月1日 17時16分

 台湾の民主化を推進した、李登輝元総統が7月30日、97歳で死去したことを受け、台湾や日本、米国からは李氏の偉業を称え、悼む声が相次いだ。一方、中国メディアは速報したが、李氏を酷評したうえ、「台湾は中国の一部」との立場から「総統」という呼称も使わなかった。

 李氏は日本統治時代の1923年、台北近郊で生まれた。旧制台北高校を経て、京都帝国大学(現京都大学)に進学。88年に終戦前から台湾に住む「本省人」として初の総統に就任した。国民党による一党独裁体制の変革を進め、「台湾民主化の父」と呼ばれた。96年には初の直接選挙で当選し、2000年まで計12年間、総統を務めた。

 日本との関係が、台湾の安全保障や経済発展に欠かせないとの信念を持っていた。公に奉ずる「日本精神」の素晴らしさを説き続け、日本人には自信と誇りを取り戻すよう訴え、多くの日本国民に親しまれた。

 蔡総統は30日、李氏の死去に「最も深い哀悼」を表明し、総統府と関係部門に対して葬儀などで家族の支援に全力で当たるよう指示した。

 安倍晋三首相は31日、「日台の親善関係増進のために多大な貢献をされた。心からご冥福をお祈りする」と述べた。官邸で記者団に語った。

 山東昭子参院議長は「真っすぐで骨のある政治家だった。とても存在感のある方だった。『本物の政治家』という印象を受けた」と話した。

 日本政府は、李氏の葬儀が行われた場合、首相経験者らを派遣する方向で調整している。

 マイク・ポンペオ米国務長官は「李氏の大胆な改革が、台湾が民主主義の道しるべに変貌する上で不可欠の役割を果たした」「米国と台湾の深い友好関係を強固にした」との声明を発表した。

 一方、中国の国営通信新華社は「台湾当局の元指導者が死去」と伝えた。共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は30日、李氏の軌跡を振り返り「日本にこびて、独立を目指す立場は非難された」と酷評。「(李氏の)両岸同胞の感情を引き裂こうとする下心は、怒りを招いた」とする中国当局者のかつての発言を引用した。

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